ECB理事会とドラギECB総裁の会見 6/5

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外国為替マーケット情報|2014/06/05

非伝統的手法に踏み込めるのか?

ついにこの日がやってきました。

2014年6月5日は、ユーロという通貨にとって忘れられない日になるのでしょうか?

今日行われるECB理事会では、追加緩和が伝統的手法(金利の引き下げ)、非伝統的手法(量的緩和など)を問わず検討される予定です。東京時間20時45分に金利の発表があり、非伝統的手法については21時30分からのドラギ総裁の会見で発表されると考えられます。

市場関係者の予想では

1.政策金利の引き下げ 0.25%→0.10%
2.中銀預金金利の引き下げ(マイナス化) 0.00%→-0.10%
3.超過準備預金に対するマイナス金利の適用
4.証券市場プログラムで支払った資金約1700億ユーロの不胎化(市場から吸収すること)停止
5.中小企業融資など使途を制限したLTRO(長期資金供給オペ)
6.ABS(資産担保証券)買入れを通じた量的緩和
7.将来の追加緩和の示唆

などが取り沙汰されています。

1.の利下げは市場で織り込まれていますので、もし実施されても大きな反応はないと考えられます。
2.のマイナスの中銀預金金利は比較的実施が予想されてはいますが、決定された場合はアナウンスメント効果を含め影響があると予想できます。特に3.の超過準備預金金利に対するマイナス金利の適用が同時に行われれば、ユーロ売りが強まると予想できます。

ここまでが「伝統的手法」の範囲ですが、今回の注目としては、ECBがこれまでやや否定的だった「非伝統的手法」に踏み込めるのか、という点です。

4.は今行っていることを停止することなので、実務上は比較的簡単です。5.は最近の報道によれば、決定の可能性が高いとされています。6.はドラギ総裁が検討している、と発言したことで注目されましたが、アメリカと異なってABSの市場規模が十分に大きくないことからやや効果に疑問が残ります。

これらの「非伝統的手法」にはそれぞれに長所・短所がありますが、決定されればECBの姿勢が大きく変化したことを示すことで、相場に強い影響を与える可能性があり、中期的にユーロ安を助けると予想できます。また、今回決定されなくても、次回以降の理事会での決定が強く示唆されれば(7.)、ほぼ同様の効果があると考えられます。
また、利下げに加えて一つまたは複数の緩和を決定した上で、次回以降の追加緩和が強く示唆された場合(7.)もユーロ売りを後押しする、と考えられます。

ドラギ総裁のドラギ・マジックは、言葉によって市場を操ることがその真骨頂ですが、今回は言葉だけではなく、実際の行動を伴わないと市場は大きな失望からユーロを買い戻すと予想しています。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

プライスはすべてを織込む!チャートで世界を見通せ 高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト