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ドラギECB総裁、6月に追加緩和決定を示唆

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外国為替マーケット情報|2014/05/09

ユーロドル2年半ぶり高値圏から反落

昨日の海外時間には、ECBが金融政策を据え置いてユーロドルが一時1.40を窺う水準まで上昇しましたが、ドラギECB総裁が「理事会は6月に行動することに違和感はない」などと述べたことから急反落しました。

欧州時間序盤、欧州株が堅調に推移したこととからややユーロ買いが強まってユーロドルは1.3940台まで、ユーロ円は142.00円台まで上昇しました。その後はECB理事会の決定待ちとなって小動きが続きました。ECBは金融政策の据え置きを発表しましたが、ドラギECB総裁の会見待ちで影響は限定的なものでした。

NY時間にはいって、ドラギECB総裁の会見が始まりましたが「緩やかな回復が続いている」「ECBは必要があれば迅速に行動する用意がある」「政策金利は長期に渡って現行水準かそれ以下に維持する」などと前回と変わらない発言が続き、量的緩和なども決定されなかったことが明らかになったことからユーロ買いが強まって、ユーロドルは1.3990台まで、ユーロ円は142.30円台まで上昇しました。しかしドラギECB総裁が続いて「委員会では為替について議論した」「為替レートは物価安定にとって非常に重要」「強いユーロのインフレへの影響は重大な懸念を引き起こす」と述べ、さらに「必要なら理事会は6月に行動することに違和感はない」と述べたことから一気にユーロ売りが強まって、ユーロドルは1.3840台まで、ユーロ円は141.00円付近まで下落しました。この間ドル円は101.60円台まで下落したあと101.80円台まで反発しています。

その後イエレンFRB議長が「力強い景気回復に至る前に金利が上昇し始める可能性は低い」などと述べたことから米長期金利が低下し、円買いが強まって、ドル円は101.50円台まで、ユーロ円は140.80円付近まで下落しました。

NY時間午後にはいってもユーロ売りが続き、ユーロドルは1.3830台まで、ユーロ円は140.50円台まで下げ幅を拡大しました。

今日の東京時間には、日経平均が底堅く推移していることからやや円売りが強まって、ドル円は101.70円台まで、ユーロ円は140.80円付近まで上昇しています。

今日の海外時間には、独・3月貿易収支/経常収支、英・3月鉱工業生産、加・4月雇用統計の発表が予定されています。

ドラギECB総裁は、「6月初旬に公表されるスタッフ予想の内容を見極めたい」と条件付きながらも「理事会は6月に行動することに違和感はない」と追加緩和を示唆しました。また「為替レートをめぐる懸念への対応は必要」「下振れリスクには為替レートが含まれる」「為替レートは物価安定にとって非常に重要」などと述べていることから、ユーロが大幅に売られてインフレ率の低下圧力が急低下しなければ6月の理事会で追加緩和が決定されると考えられます。したがってそれまではユーロ安傾向となることが予想されますが、緩和の内容や規模、持続性などに疑問がもたれればユーロは買い戻されると考えられることから、戻り売り戦略が有効となると考えられます。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト