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ECB、22日の量的緩和既に決定か?

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フランスのオランド大統領は「ECBは22日の理事会で国債買い入れの実施を決定する」と発言した。ECBの関係者は事前のリークを否定しているが、デンマークが利下げしたこともあり、ECBの量的緩和が実現性を帯びてきた。ブルームバーグは5500億ユーロの国債購入プログラムになるとの見通しを載せた。

参照:ECB May Deliver $635 Billion to Steer Euro Away From Deflation
http://www.bloomberg.com/news/2015-01-19/draghi-s-big-push-seen-delivering-635-billion-with-qe-this-week.html

デンマークは譲渡性預金金利を0.15%引き下げ、マイナス0.20%とした。貸出金利も0.15%引き下げ、プラス0.05%とした。利下げは、デンマークの通貨クローネのユーロとのペッグ(連動)を維持するためだとされている。デンマークはユーロ圏ではないが、欧州通貨システム当初からの参加国だ。

ECB

ユーロの構造的な問題点として何度も触れているが、ユーロ参加国は独自の通貨・金融政策を持たない。財政政策も欧州政府や国際機関の実質指導を受けるので、独自の経済政策を持たないともいえる。

デンマークは欧州連合の中で唯一、欧州通貨システムに参加しながらも、ユーロには参加していない国だ。ユーロへの参加にあたってはどの国も国民投票を行ったので、国民が不参加を決めたのだ。「To be, or not to be」とはデンマーク王子ハムレットの言葉だが、「Not to be」とした。とはいえ、政府が欧州通貨システムへの残留を望んでいるため、クローネはユーロと連動している。連動させるためには、通貨・金融政策の一致が望ましいので、事実上、独自の金融政策は望めない。そのデンマークの利下げは、オランド大統領の発言を裏書きする効果を持つ。

15日にはスイスも利下げを行った。1.20維持というのは、事実上のペグ(連動)だったが、それを外しても、ユーロ圏の影響からは逃れられない。スイスの行動もまた、22日のECBの動きを先取りしたものとの観測がある。

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