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今夜は雇用統計

【著者】

外国為替マーケット情報|2014/06/06

昨日は市場の注目がECB理事会、ドラギ総裁の会見に集まり、ユーロが大暴れの一日となりました。
結局政策金利は市場予想の15bp引き下げ0.10%に対し10bp引き下げ0.15%とし、預金ファシリティ金利を-0.1%(マイナス金利)に引き下げ、貸出金利も0.35%引き下げ0.40%、超過準備金にもマイナス金利は適用とし、対象をしぼった4年物の長期リファイナンスオペレーション(TLTRO)の導入、SMPで供給された資金を回収するための不胎化オペレーションの中止を決定し、さらに資産担保証券(ABS)の準備も行うことも示されました。
また、ECBスタッフによる経済見通しも発表されインフレ見通しが下方修正となりました。
昨日のECBの決定は市場が予想していた量的緩和以外のものはほとんど放出される規模の大きなものとなりました。ユーロは発表後に追加緩和をしっかりと織り込んでいたことから、大きく下落となりましたが、その後は材料出尽くし感から反発という動きとなっています。発表後は反発しているものの、中長期的な視野でみると、ECBは今後、量的緩和というカードを残していることや、マイナス金利が重くのしかかりキャリー通貨としての魅力も増加することから、米国経済が崩れない限り、徐々に軟調な推移と移っていくというシナリオも十分考えらると思われます。
米国の経済指標は新規失業保険申請件数は31.2万件と市場予想との乖離は軽微なものとなり低水準での安定推移を続け、本日の雇用統計へ不安を少し和らげるものとなりました。
ECBの緩和を受け、株式、債券ともに堅調な推移となったことから、反発をしていた米国10年債利回りは2.6%の上では踏ん張ることはできず失速となりました。

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【主要通貨ペアの動き】

ドル円はユーロドル、ユーロ円の綱引きの中、米国債利回りの低下も響き反落となりました。やはり「魔の102円台後半」をすんなり突破というのは難しかったようです。本日も米国債利回りは軟調な推移を続けていることからドル円は軟調な推移となり、昨日のNY時間のサポートである102.34を割り込んだことから下値を探る動きとなり、時間足チャートではヘッド&ショルダー類似の形のネックラインに近づいてきています。ネックラインと考えられる6月3日の安値102.25近辺を割り込むと大きな下落となる可能性も浮上しています。
とはいっても、本日は米国雇用統計のため、結果次第で上下どちらにも跳ねる可能性があるため、取引の際には細心の注意が必要です。ADPが弱い結果となったことから市場の予想は若干割り引いたものとなっていると思われることから強い結果となったときのインパクトの方が強いと予想されます。

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ユーロドルはECB理事会後、ドラギ総裁の会見中に1.35に迫る動きとなったものの材料出尽くし感から反発に転じ終わってみれば発表前の水準まで押し戻す動きとなっています。日足チャートでは長い下ひげを残して大きな上昇となっていることから、本日も底堅い推移を見せると予想されますが、短期的に頑張りすぎた感、米雇用統計も控えることから難しい動きとなると思われます。

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ユーロ円はECB理事会後は下値を探る動きとなったものの、レジスタンスの140.00を突破することはできませんでした。本日もこの140.00を上抜けることが出来るかどうかに注目が集まりますが、失敗に終わると再び下値を探る動きとなる可能性も残ります。

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ポンドドルは堅調推移となり1.68台を回復し、割り込んだトレンドラインの上まで戻ってきました。下はしっかりと1.67を守りきったこともあり、さらなる上昇余地は残されていると思われます。来週にかけて2回目の1.7へのトライへ向かうことができるかに注目したいところです。

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豪ドルも底堅さをみせ、5月末の高値である0.933を上抜ける動きとなり小さなダブルボトムのネックラインを上抜ける動きとなりました。しかし、この上にもレジスタンス候補が並ぶことからしっかりと0.94を上抜けるまでは本格的な上昇モードとはいえないと思われます。

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【本日の注目材料】

米国雇用統計を控えアジア、欧州時間は様子見モードが強まることが予想されますが、前日のユーロの大変動からの調整が入りやすく各通貨方向感の掴みにくい難しい展開になることが予想されます。
雇用統計は現在の市場予想の中心値は非農業部門雇用者数が21.5万人増加、失業率が0.1%増加し6.4%と控えめな予想となっていますがADP雇用統計が弱い結果となったことからリアルな市場予想の中心はもう少し控えめになっていると思われます。

【本日の予定】

15:00 独4月鉱工業生産
17:30 英4月貿易収支
18:00 ギリシャ1-3月期GDP(確報値)
18:00 コンスタンシオECB副総裁講演
21:30 米5月雇用統計
21:30 加5月雇用統計
翌4:00 米4月消費者信用残高

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様

佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト