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ユーロがさらなる反発の可能性。今後は買いか?

【著者】

下落基調が続いたユーロですが、ここにきて、反発の兆しが出てきました。そして、大きな反発となる可能性も十分にあるのではないかと筆者は考えます。
ECBがマイナス金利を導入し、量的緩和が騒がれ始め、導入に至ったのに対し、米国経済は回復基調が続き、雇用の改善が顕著に現れてきたこともありFRBが年内の利上げへ向かう状態となり、FRBECBの金融政策のスタンスの違いが明確となったことを背景にユーロの下落トレンドが続いています。
今年に入ってもユーロの下落基調が続き、ユーロドルのパリティ(等価、1ユーロ=1ドル)割れが意識される局面まできています。また、直近でもギリシャのデフォルト、ユーロ離脱懸念が強まっていることもユーロの売材料として意識され、ユーロは売るモノ、買えないという意識が頭の片隅に残っている投資家も多いと考えられます。

下の図は投機筋の通貨先物のユーロのポジションとなりますが、ユーロ売りのポジションを見るとユーロ売りのポジションが欧州債務危機で騒いでいたときの水準を超え、高水準で推移しています。

ユーロポジション
※青い棒グラフがネットしたポジション数(左軸の数値がプラスならば買いポジション、マイナスであれば売りポジションへの偏りを示しています。)

しかし、本当にパリティ割れまですんなり行くのでしょうか?

ユーロにとってネガティブな材料が多いなかで、短期的かもしれませんが、以下のようなポジティブな材料としてとれる材料も出始めており、一旦反発が強まるとそれなりに大きな反発となる可能性も考えられます。

ユーロ圏の景況感改善

現在、ユーロ圏ではドイツを中心としてユーロ安、金利低下を背景に景況感の改善が顕著に出始めています。この状態が続くと原油価格が安定するのに併せて、物価上昇基調が強まり、ECBの量的緩和の出口が意識されると共に、貿易収支の改善による地味なユーロ買いがユーロの底を支える力となると考えられます。
また、好況のユーロ圏への投資も活発化する可能性も考えられます。

ギリシャのデフォルト・ユーロ離脱懸念

ギリシャに関してデフォルト、ユーロ離脱懸念が強まり、実際にそのリスクは考えられるものの、債務交渉に進展が見られたり、とりあえず先延ばすような措置がようであれば一旦の材料出尽くし状態となり、ユーロ買い戻しが強まる可能性が考えられます。

米国利上げ開始時期

直近の米国経済指標は製造業を中心にやや停滞気味のものが目立っています。寒波、港湾スト、原油価格下落、ドル高など様々な要因による一時的なものとの見方が主流となっていますが、今後の経済指標でも弱い結果が続くようであれば、一時的という言い訳ができない状況となり米国の利上げ観測が後退となりドル売りが進む可能性があり、ユーロ買い戻しの材料の一つとなると考えられます。

ポジションの偏り解消の可能性

上記の通貨先物のポジションのように現在、市場ではユーロの売りポジションが溢れている状況となっています。投機マネーは決済しなければ利益が出ないため、いずれ利益確定の買いフローを生み出すことになります。つまり、未曾有のユーロ売りのポジションは将来の未曾有の買い注文の卵とも言うことができます。
ここにきて、ユーロの下げ渋りが続いているのも、ドルの弱さもありますが、この利益確定のフローに支えられている可能性も考えられます。

また、ユーロ圏での資金調達コストの低さが注目され、ユーロ建ての債権発行も増えてきています。ユーロで調達された資金がドルに転換されればユーロ売り、ドル買いとなり、ユーロ売りの材料となると考えられますが、これらはいずれ償還時期が到来し、ユーロを買い戻さなければならず、将来のユーロ買いのフローとなります。そしてユーロ上昇時には為替リスクをヘッジするためにユーロ買いを建ててくるという可能性も考えられます。
現在、ユーロが下げ渋っている状況ということは焦りを感じているのはユーロを売っている大勢の参加者で、反発が強まると逃げ遅れると利益が損失に変わってしまう参加者も少なくないと考えられます。

もし、無限大にお金が使えるとしたら、あなたはどちらに賭けますか?
筆者ならユーロを買い続け、溜まったユーロ売りポジションのストップ買いを摘み取りに行くと思います。

意地悪な大物投機筋がそんなことを考え出したら・・・?

テクニカルでは反転の兆しあり

ユーロドルは引き直したトレンドラインを上抜け、直近では1.085で2回上値をブロックされています。この1.085を上抜けるとFOMC後の数回上値を抑えている強力なレジスタンスラインである1.105(緑線)が強く意識され、突破すると多くのストップ買いを絡め1.14付近も視野に入れた上昇圧力が強まる可能性が浮上します。

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ドル円の動きが鈍いこともありユーロ円もユーロドルに近い推移を続けており、ジリジリと上値を追い、先週からのレンジを少し上抜けたような状態となり昨年12月と4月の高値を結んだトレンドライン、2月と4月の高値を結んだトレンドラインの両方を上抜けの攻防中という動きになっています。
このまま上昇が続き、3月からのレジスタンスとなっている131.50付近のレジスタンスを上抜けると136円台も視野にいれた上昇圧力が強まるかもしれません。

ユーロ円

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト