今宵、運命のFOMC

昨日からの流れ

昨日は欧州時間に発表された英国の雇用統計にて賃金の上昇率が加速していたことで英国の利上げが強く意識されポンド買いが強まりました。また、S&Pによる日本国債の格下げが行われたことで円売りが強まりました。その後のNY時間に発表された消費者物価指数は市場予想を大きく下回り7ヶ月振りの前月比マイナスとなり、米国の利上げ観測を弱め、ドル売りが強まる展開となっています。

日本国債格下げでドル円が底堅さを見せている状態でその他通貨でのドル売りが強まったこともあり、ポンド円が昨日の安値から3円近くの上昇するなどクロス円の底堅さが目立っています。また、原油価格が底堅い動きとなっていることが資源国通貨をサポートし、カナダドルなどは反発が強まっています。

米国株式市場は利上げ観測が和らいだことや原油価格が底堅さを見せたことなどを背景に底堅い動き、米国債はFOMCが警戒され、上値の重い状態となり、利回りは底堅い動きとなりました。

USDJPY

ドル円は欧州時間にSPによる日本国債格下げを受けて底堅い動きとなったものの、米国時間に入ると冴えない消費者物価指数の結果を受けて上値が詰まり、終わってみれば方向感の薄い動きとなっています。

本日は米国時間にFOMCの発表、イエレン議長の記者会見が予定されており、その前後は乱高下することが予想されるため、十分に注意が必要です。FOMCの結果次第では直近の118.50121.75付近のレンジを抜ける動きとなる可能性があるため、どちらに抜けるかで今後の方向性を確認したいところです。

ドル円

EURUSD

ユーロドルは欧州時間までは上値の重い推移となりましたが、米国時間に発表された消費者物価指数が弱い結果となりドル売りが強まったことを受けて反発に転じる動きとなりました。日足チャートを見ると再び底堅い動きが続きそうな形となっていますが、本日はFOMCという大きなイベントを控えているため、神経質な動きが続いた後、FOMCで上下どちらかに大きく振れる可能性があるため注意が必要です。

1.12付近が過去にレジスタンスとして活躍したのち、昨日サポートとなったため、その付近を割り込むような動きとなった場合にはさらなる下落にも注意が必要です。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円ユーロドル同様に欧州時間までは上値の重さが目立ったものの、米国時間に入ると底堅い動きとなり136.65付近まで上昇する動きとなりました。日足チャートを見ると方向感の定まらない状態となっているため、本日は昨日のNY時間のサポートとなった136.00とレジスタンスとなった136.65付近のどちらに抜けるかで方向感を探っていきたいところです。

ただし、米国時間にはFOMCの発表が予定されており、乱高下が予想されるため、発表前後、またイエレン議長の記者会見中の値動きには注意が必要です。基本的にドル中心の動きとなり、ドル円とユーロドルの綱引き状態となり方向感の掴みにくい状態が続くと考えられます。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルは昨日の英国雇用統計にて賃金の上昇率の加速が確認されると利上げが意識され底堅い動きとなりました。その後も米国消費者物価指数が弱い結果となり強まったドル売りにもサポートされ、1.55台に乗せる動きとなりました。3日間分の下落を全て取り戻す強い動きとなり、本日も底堅さが残りそうな状態となっています。

本日は欧州時間に英国小売売上の発表が予定されています。強い結果となるとポンド買いがさらに進む可能性もある反面で弱い結果となると昨日買った参加者の投げ売りが出て思わぬ下落となる可能性もあるため注意が必要です。また、他通貨同様にFOMCの前後は乱高下することが予想されるため、警戒が必要です。

ポンドドル

AUDUSD

豪ドルは底堅い動きが続いていますが、0.72付近では上値が詰まる状態となっています。その付近は8月にはサポートからレジスタンスに転じているラインであるため、しっかりと上抜けたところにはストップ買いもそれなりに溜まっていることが想定されるため、注意が必要です。

サポート候補は昨日のレジスタンスからサポートに転じている0.715付近で割り込むと再び下値を探りに行く可能性があるため注意が必要です。豪ドルも他通貨同様にFOMC前後の乱高下には注意したいところです。

豪ドル

本日の注目材料

本日は米国時間に今年最大のイベントと言っても過言ではないFOMCが予定されています。今回のFOMCでは米国が9年振りの利上げができるかどうかの重要な会合となります。

①今回の会合での利上げ、②次回(10月)での利上げ開始示唆、③年内の開始示唆、④来年の可能性示唆など様々なパターンが想定されますが、筆者は②、③の可能性が高いと考えています。雇用の改善は確認できているものの、昨日の消費者物価指数からも「インフレ率が上昇するという合理的確信」を得られるには至っていないと考えられ、今回の利上げは難しいと考えられます。ただし、来年に先延ばしするようなネガティブな材料も現時点では少ないため、④ほどハト派になる理由もないと思います。

とはいえ、今回の利上げの可能性がゼロとは言い切れず、市場参加者としては、もし利上げに踏み切った場合にも警戒は必要です。為替相場の反応は予想が難しくなっています。単純に考えると素直にドル買いなのですが、株式市場がネガティブな反応となり、大崩れとなるようであればリスク回避の円買い、ユーロ買いとなる可能性もあり、他市場の動向を確認しながらの神経質な展開となることが予想されます。利上げを見送った場合は、開始時期の示唆があるかどうか、それが近いのかどうかに注目が集まります。今回は声明文に加え、メンバーの金利見通しの発表も予定されているため、声明文での直接的な表現、ドットチャート(金利見通し)から探っていくことになります。今回利上げが見送られても、年内の利上げが濃厚と判断できるような内容であれば、市場のショックは少なく、その示唆が明確であればドル買いのサポート材料になると考えられます。いずれにせよ、発表前後、イエレン議長の記者会見中は乱高下することが予想されるため、ポジション量、ストップ注文の設定などのリスク管理を普段以上に徹底しておくことをお勧めします。

その他経済指標としては欧州時間に英国の雇用統計が予定されています。物価は伸び悩んでいる状況で賃金が上昇していることを考えると弱い結果も想定しにくく、底堅い数字となればポンドの利上げ観測を後押し、ポンドドルのサポート材料になると考えられます。

米国時間は経常収支住宅着工件数新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数など粒ぞろいのラインナップとなっていますが、FOMC直前ということもあり、大きなサプライズとなる、または弱いものが続く、強いものが続くなど偏った結果とならない限りは値動きは限定的になると考えられます。

本日の予定

07:45 NZ46月期GDP
08:50 日対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)
08:50 日8月貿易収支 〔5400億円の赤字〕 (2684億円の赤字)
16:30 スイス国立銀行(SNB)政策金利発表
17:00 ECB経済報告公表
17:30 英8月小売売上高
18:00 ユーロ圏7月建設支出
21:30 米46月期経常収支
21:30 米8月住宅着工件数・建設許可件数
21:30 米新規失業保険申請件数
23:00 米9月フィラデルフィア連銀製造業指数
翌3:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表
翌3:30 イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長会見

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト