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意外に強気なFED_2014/03/19

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為替マーケット情報 記載日:2014/03/19

昨日のFOMCは政策金利は据え置き、QEは100億ドルの縮小と市場の予想通りの結果となりましたが、発表された政策金利の利上げ予想値が12月の発表時に比べ若干早まり2015年末時点での中央値が1%(12月時点では0.75%)、2016年末は2.25%(12月時点では1.75%)と上方修正されたことを受けてドル買いが強まりました。

市場の予想は寒波の影響からの下振れた経済指標を受けて若干ハト派な内容になる可能性も想定されていたことから、意外に強気な内容に対してのインパクトはそれなりに強いものとなりました。

また、フォワードガイダンスに関しても閾値の失業率6.5%が削除となりました。これに関しては市場も想定の範囲内であったことからそれほどのインパクトは生まなかったと考えられます。声明の内容からはインフレ率に関して以前よりも強く意識してきていることから、今後は物価指数を示す経済指標への注目度が増してくると予想されます。

発表後は米国債利回りは急騰、株価は利上げ観測が強まったことから低下となりました。ドル円は利回りの方に追随、さらにQEが予定通りの縮小ペースを維持したことも下支え材料となり、102円台を回復、ユーロドルは1.38台前半まで押し込まれています。新興国通貨も売りが進んでいる状況となっています。

本日の日経平均はドル円の上昇につられプラス圏内でのスタートとなりましたが、現在は上値の重い推移に変わっています。

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ドル円はFOMCの発表後は急騰となり102円台を回復となりました。今後は上値の重い株価による下押し圧力に屈せず底堅さを見せられるかに注目が集まります。さらには依然くすぶるウクライナ情勢や今年の流行語となりつつある「チャイナ・リスク」などの不安材料を抱えながら不安定な飛行を続けると予想されますが日米の金利差が拡大する方向に動いていることは明確であることから、大きな流れでは依然として円安地合いが強いと予想されます。

本日は短期的な上昇となったことから反動がどの程度出るのか、上昇したとして、2月に幾度と上値を押さえつけている難所、102円台後半を上抜けることができるかどうかに注目が集まります。また、米国時間には木曜日恒例の新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業指数、中古住宅販売件数など豊富なラインナップとなっています。高まり始めた米国の金利先高観測を後押しする結果となるのかに注目が集まります。

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地味に底堅い推移を続けていたユーロですが、FOMC砲を受けて下落を強めています。依然として高水準での推移を続けていることから、消費者物価指数は今後も低めな数値が出ることが想定されることや、要人のユーロ高を牽制する発言などにも注意したいところです。

3月11日の安値である1.3833近辺を割り込んでの推移となっていますが、その前のレジスタンスであった1.3825近辺にて現在推移しているところです。この水準、余裕をもって、1.38台で踏ん張ることができると不沈空母神話が継続となると考えられます。

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ユーロ円はドル円とユーロドルの綱引きにあい狭いレンジ内で若干の上昇となりました。本日もFOMCの余韻からドル中心の動きとなることが予想され、動きが鈍くなるかもしれません。米国経済指標が良好な数字が続くとリスクオン地合いが強まり、底堅さを増す可能性が高いと思われますが、パンパンに膨らんでいる米国株式市場が下げるような展開となるとリスクオフ地合いが強まり、円買いが強まる可能性も考えられます。

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ポンドドルは欧州時間に発表された英雇用統計にて失業率こそ横ばいだったものの賃金が上昇していたことなど、強めな内容となったこともあり、1.66台で堅調な推移となっていましたが、FOMC砲を受けて急落となりました。終わってみれば、ダブル(トリプル?)トップのネックライン割れで下値を探る動きのようになっていますが、売りで持ち続けるのは難しかったと思われます。英国経済にネガティブな面は多く見られませんが、ネックライン割れが明確になったことから、もう一段の下落、1.64台をターゲットにした下落につながってくる可能性が強まっています。週足などでみると昨年半ばから快進撃を続けているだけに失速すると下落もそれなりに期待できそうな型となっています。

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豪ドルもFOMC砲を受けて0.91台を守ることができませんでした。現在0.9割れに迫るところでの推移となっています。ここのところ底堅さをみせていただけにロングポジションもそれなりにあると考えられることから0.9を明確に割り込んだ辺りにはストップ売りが控えていることも予想されることから、もう一段の下落も視野にいれて取り組む必要があると思われます。

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【本日の注目材料】
本日は昨日のFOMCの結果により強まったドル買いに対しての反動がどの程度入るのかを見極める日となりそうです。さらには、米国株式市場が下げ止まるのかどうかにも注目したいところです。経済指標は米国時間に新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業指数、中古住宅販売件数、景気先行指数などが発表されます。

新規失業保険申請件数は安定推移できているのか、フィラデルフィア連銀は悪天候が改善されつつある中での最新データとなるため注目度は比較的高いかもしれません。先行するNY連銀製造業指数は改善を示していました。中古住宅販売件数は2月分のため若干の悪天候の影響も残ると想定されるものの金利は比較的低水準で推移していたというプラス材料もあるため予想は難しくなっています。昨日のFOMC声明文でも住宅市場の伸び悩みが示されていたことから、良好な結果となるとリスクオン地合いが高まると予想されます。

【本日の予定】
EU首脳会議

08:50 対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベ−ス)
16:15 黒田日銀総裁講演
17:30 スイス国立銀行政策金利発表
20:00 英3月CBI製造業受注指数
21:30 米新規失業保険申請件数
23:00 米3月フィラデルフィア連銀製造業指数
23:00 米2月中古住宅販売件数
23:00 米2月景気先行指数
23:15 バローゾ欧州委員長、レンツィ伊首相会見
翌0:00 ラウテンシュレーガー独連銀副総裁講演
翌1:30 ウィール英MPC委員講演
翌2:00 米10年物価連動債入札
翌5:00 FRB、ドッド・フランク法に基づく銀行の年次ストレステストの結果発表

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト