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ドル安とFedの利上げ時期

【著者】

7月29日に発表された第2四半期の米GDP速報値は前期比年率1.2%増加となり予想の2.6%増加を大幅に下回りました。
2015年第4四半期は0.9%増加(1.4%から下方修正)、2016年第1四半期も0.8%増加(1.1%から下方修正)となり3四半期連続でGDPの伸びが低迷して米景気が失速する可能性もでてきました。

今回は在庫が減少してGDPの伸びを1.16%ポイント引き下げる一方で、個人消費支出は4.2%増加となり2014年第4四半期以来の大幅な伸びとなりました。

この数字を受けて米10年債利回りは1.511%から1.4497%に低下し、ドル売りが加速したことでドル円も102円台前半まで下落しました。

今年は9月、11月、12月と3回のFOMCの開催があります。
11月は大統領選挙直前ということもあり、利上げがあるとすれば9月か12月(イエレンFRB議長の会見もセットされています)という予測でしたが、現状では9月が難しいということでドル安の流れとなったのでしょう。

イエレンFRB議長は29日の講演で利上げは慎重に進めることが適切だと発言しました。ここのところタカ派は今年最低1回の利上げの可能性を示唆するようなコメントがでてきており、双方の意見がぶつかっています。

9月の利上げがあるのかないのか占う上で、今週を含めて雇用統計の発表が2回、8月のジャクソンホールでのカンサスシティ連銀のシンポジウムでイエレン議長の講演などがイベントになります。

冒頭で述べたように第2四半期のGDPは予想を下回りましたが、個人消費は4.2%と非常に強いものでした。これは住宅価格の上昇や、株価の上昇による資産効果もさることながら、やはり雇用状況が良いことが個人消費を支えているかの可能性が高いのでしょう。

今回の高い個人消費支出の伸びを維持することは難しいと思われますが、今週の雇用統計はFedの利上げ時期を占う上で大変重要なイベントになるでしょう。

週初ドル安の流れとなっているので、まずはドル円が100円を目指し、100円を維持できるのかどうかがポイントになるでしょう。

100円が維持できれば、100~105のレンジ継続となる可能性が高いのですが、数字が悪い場合は97~98円を目指す可能性もあるでしょう。

YEN蔵|ADVANCE CEO

YEN蔵

シティバンク、スタンダード・チャータード銀行と外資系銀行にて、20年以上、外国為替ディーラーとして活躍。独立し現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。 為替を中心に株式、債券、商品と幅広くマーケットをカバーして分かりやすい解説を行っている。