ドル高地合いが続く

【著者】

昨日はECB理事会、ドラギ総裁の会見、イエレン議長の議会証言、カーニー総裁の講演など中央銀行イベントが続きました。ドラギ総裁の記者会見ではギリシャの改革案が法制化されたため緊急流動性支援の拡大を決定したことや量的緩和が順調に行われていることなどが示されましたが、特にサプライズとなるコメントは出てこなかったこともあり、市場の反応は限定的なものにとどまっています。

イエレン議長のコメントも前日のものと変化はなく、動意に欠ける内容となりました。カーニー総裁の講演では利上げに向かう姿勢が示されたため、直近の冴えない雇用統計で元気を失いつつあったポンドが買われる展開となりました。全般的にドル高地合いの強い状態であったものの、ポンドや豪ドルは対ドルでも下げ渋る動きとなっています。

その他通貨では消費者物価指数の弱かったNZドルの上値の重さが目立ったほか、前日の利下げの余波でカナダドルの上値の重さが目立つ動きとなっています。米国株式市場はギリシャ情勢の改善期待や良好な企業決算などを背景に底堅い推移となっています。

米国株式市場

主要通貨ペアの推移

ドル円は底堅い推移となり124円台を回復する動きとなっています。本日は6月中盤から上値を抑えている124.4045付近をしっかりと突破できるかどうかに注目したいところです。この水準をしっかり上抜ける動きとなれば6月序盤に越えられなかった126円台を試しに行く可能性が高まり、上昇基調が強まると考えられます。

usd jpy

ユーロドルは4月中旬と7月序盤の安値を結んだトレンドラインを明確に割り込む動きとなりました。引き続き上値の重い推移となる可能性があり、次のターゲットとしては日足チャートでのダブルトップのネックラインとなる5月27日の安値である1.082付近で割り込んだところにはストップ売りが溜まっていることが想定されるため接近した際は注意が必要です。

eur usd

ユーロ円は引き続き上値の重い推移が続いています。大きな流れでは133円をネックラインとしたヘッドアンドショルダーを形成しつつあるため、すぐに到達するというわけではないですが、下値を探り出した際は警戒が必要です。133円を割り込むような動きとなると130円割れも視野に入れた下落圧力が強まる可能性が浮上します。

eur jpy

ポンドドルは欧州時間に下値を探る動きが活発化したもののカーニー総裁の講演などもあり、底堅さを取り戻し、1.56台を回復する動きとなったものの、伸び悩む動きとなっています。方向感は薄い状態で調整モードを完全に抜け出したとも言えない状態であるため、本日は昨日のサポートとなった1.556付近、レジスタンスとなっていた1.565付近のどちらに抜け出すかで方向感を探っていきたいところです。

gbp usd

豪ドルはジリジリと上値を追う動きとなり、0.74台を回復する動きとなっていますが、引き続き上値の重さも残る状態となっています。昨日レジスタンスとなったのは一昨日のアジア時間のサポートとなっていた0.7437付近となっているため、本日はこの水準を突破できるかどうかに注目が集まります。サポート候補は昨日のNY時間のサポートとなった節目の0.74、アジア時間のサポートとなった0.735などが意識されやすいところです。

aud usd

本日の注目材料

本日は米国時間に米国の消費者物価指数、住宅着工件数、ミシガン大消費者信頼感指数の速報値等の発表が予定されています。消費者物価指数は米国の利上げ観測を左右するため強い結果となるとドル買いに拍車をかけるかもしれません。住宅着工件数は比較的安定した推移が続いており、また、先行指標となる建設許可件数も底堅さを見せているため期待が高まっています。
ミシガン大消費者信頼感指数は最新の消費者マインドを探る上で重要な経済指標となりますが、前回強い結果となっているため伸び悩む可能性にも警戒したいところです。弱い結果となってしまうと先日の小売売上と併せて市場が米国の消費の伸び悩みを意識しドルの上値を圧迫するかもしれません。

また、注目度は薄れてきたもののギリシャ情勢に関してもつなぎ融資に関してや要人のコメントなどが報じられると短期的にユーロが上下に振れる動きとなる可能性があるため引き続き注意が必要です。

本日の予定

シンガポール市場休場
17:00 欧州中央銀行(ECB)専門家調査
18:00 ユーロ圏5月建設支出
21:30 米6月消費者物価指数
21:30 米6月住宅着工件数・建設許可件数
21:30 加6月消費者物価指数
23:00 フィッシャーFRB副議長講演
23:00 米7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト