米国経済指標に一喜一憂が続く

昨日は米国時間に発表された個人所得・個人消費支出・コアPCEデフレーターは概ね市場予想通りとなり、反応は限定的なものにとどまりましたが、その後にフライング発表となったISM製造業景況指数が市場予想を下回る結果となったことからドル売りが強まる展開となりました。ただし、原油価格の下落が続き、資源国通貨や新興国通貨の上値も重い状態となったことはドルをサポートしています。また、ギリシャの株式市場が再開され、大幅下落となったこともユーロの上値を圧迫し、ドルを押し上げる材料となりました。

米国債利回りは2年債利回りが下げ止まりを見せているのに対し、10年債利回りは低下と、米国の利上げ期待は根強さを2年債利回りが示しており、逆に10年債利回りは市場全体のリスク回避色を示すような状況となっています。

現状では年内の米国利上げするだろうと考えることはできても、9月に利上げできるという確信を掴むことはできず、様子見モードが続き、個々の材料に一喜一憂状態が続いています。週末の雇用統計を含め、ある程度、答えが出るまでは各通貨の方向感の薄い状態は続くかもしれません。

米国株式市場

主要通貨ペアの推移

ドル円はアジア時間から底堅い動きを続けていましたが、NY時間に入ると米国経済指標が弱い結果となったこともあり、上値の重い推移となっています。124.00を挟んだ方向感の薄い推移を続けていることから、本日は昨日のレジスタンスとなった124.30付近とサポートとなった123.85のどちらに抜けてくるかでまずは方向感を探っていきたいところです。

usd jpy

ユーロドルは上値の重い推移が続きました。NY時間に強まったドル売りの流れで押し上げられる場面もみられましたが、長続きせず、1.09台前半での推移となっています。本日は先週末のサポートとなった1.089付近を守れるかどうかに注目が集まります。割り込んでしまうと5月からサポートとして踏ん張っている1.08が意識され、割り込むと大崩れの序章となるかもしれません。

eur usd

ユーロ円は上値の重い推移が続いています。7月後半からサポートとなっている135.50付近に接近する動きとなっており、割り込んだところにはストップ売りもそれなりに溜まっていることが想定され、短時間で大きな下落となる可能性もあるため注意が必要です。

eur jpy

ポンドドルは欧州時間に売りが強まり、NY時間に盛り返すも長続きせず、結局1.56を割り込みNYクローズを迎えています。方向感の薄い推移い状態は続いているため、先週後半からのレンジである1.555-1.569のレンジをどちらに抜けるかをしっかりと確認したいところです。

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豪ドルは方向感の薄いなか、やや上値の重い状態となっていますが、先ほど発表された小売売上が良好な結果となったため現在反発しています。この反発が長続きするかどうかで豪ドルの強弱が読み取ることができると考えられます。すぐに失速してしまうようであれば上値の重い状態は続き、下げ渋るようであれば、これまで散々売られてきたため、反発期待が高まると考えられます。いずれにせよ先週のレンジである0.7235-0.737をどちらに抜けてくるかで方向感を探っていきたいところです。

aud usd

本日の注目材料

本日はアジア時間にオーストラリア貿易収支小売売上高、さらにはRBA政策金利の発表が予定されています。RBAの政策金利は据え置きの可能性が高いと予想され、声明文の内容に注目が集まり、追加利下げ観測を押し上げる内容となると豪ドル売りの材料となります。

欧州時間はユーロ圏の生産者物価指数、英国の建設業PMIの発表が予定されています。6月の生産者物価指数に昨今の原油再下落がどの程度影響しているの判断は難しいですが、伸び悩むようであればユーロの上値圧迫材料となると考えられます。

米国時間は製造業受注、景気楽観指数の発表が予定されています。今週発表されるその他の米国指標と比べると見劣りする材料ですが、強い結果が続くようであれば米国の利上げ観測を押し上げ、ドル買いが強まると考えられます。

本日の予定

10:30 豪6月貿易収支・6月小売売上高
12:45 日10年国債入札
13:30 豪準備銀行(RBA)政策金利発表
15:00 英7月ネーションワイド住宅価格
17:30 英7月建設業PMI 
18:00 ユーロ圏6月生産者物価指数
23:00 米6月製造業受注指数
23:00 米8月IBD/TIPP景気楽観度指数 

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト