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米国債利回り低下続く

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外国為替市場情報|2014/04/07

米国3月雇用統計の結果が各市場を一巡したが米国債利回りは回復せず、株式市場も軟調な推移となりリスク回避型の流れとなっています。為替市場では米国債利回りの低下からドル売り型の天候が継続する展開となっています。
ECB理事会後のドラギ総裁の会見やその後の要人から強まっていたの量的緩和も本格的に視野に入れた追加緩和観測が昨日のヴァイトマン独連銀総裁をはじめとするECB要人の比較的タカ派なコメントを受けて少し後退したことなどもあり、雇用統計後のドル売りには鈍い反応であったユーロやポンドも対ドルで昨日は上昇する展開となりました。

本日発表された本邦の国際収支統計では経常収支が季節的要因もあり市場予想通り黒字を回復、貿易収支も赤字幅を縮小となりました。発表後は日銀の追加緩和見送り観測と併せて円買いが進む展開となっています。
少し気がかりなのはウクライナ東部のドネツク州でクリミアに続き親ロシア派勢力が政府建物を占拠し、分離、独立へと向かい動き出しているということです。再度、ロシア軍が介入となると、西欧諸国との亀裂が深まり、リスク回避色の強い不透明な相場展開が再燃する可能性があるため、今後の動向にも一応注意が必要です。

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ドル円は材料の薄い中、米国債利回り低下、株安の流れから上値の重い推移を続け、雇用統計後の戻り高値である103.40を上抜けることが出来ずに下値を切り下げる推移を続けています。現在3月末にもみ合いが続いた102.8台を割り込んできていることから、102円台前半を第1ターゲットとした下落圧力が加速する可能性もあるため注意が必要です。

経済イベントとしては昼頃に発表となる日銀の金融政策決定会合、米国時間に発表となるJOLT求人労働移動調査に注目が集まります。前者は政策変更なしが市場のコンセンサスとなっていますが、量的質的緩和スタートからちょうど1年ということもあり、一部では期待も少なからずあることから、変更なしとなると、ドル円には下押し圧力が強まる可能性があります。もちろんサプライズ追加緩和の可能性を完全には排除することもできませんので一応、警戒は必要かと思われます。またその後の黒田総裁の会見にも注目したいところです。物価がしっかりと上昇してきていますよと自信満々で追加緩和観測を後退させるような内容となると円買いが進むというシナリオも想定されますので記者会見前後の動きには警戒が必要です。
後者はイエレン議長のコメントからも今後注目度が増していく経済指標となります。雇用統計よりも若干古いデータとなりますが、新規雇い入れ、離職、求人数を中心に米国の雇用情勢が確認でき、今後のFEDの金融政策に影響を与える可能性があるためしっかりとチェックしておいた方がよいと思われます。

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不沈空母ユーロは堅調な推移となっていました。量的緩和の気配が強まったことから、上値の重い推移が続いていましたが昨日のユーロ圏要人の若干タカ派なコメントを受け過度な量的緩和への期待が薄められたことや、強いドル売り地合いに後押しされ上値を切り上げる動きとなりました。本日はまず昨日からのレジスタンスとなっている1.375をしっかりと上抜けることができるかどうか、昨日の下押しを抑えた1.372を守ることができるかどうかに注目が集まります。

本日もユーロ圏の要人からのコメント機会が予定されていますので、量的緩和に対して積極的か消極的かで上下に揺さぶられる展開となりそうですが、消極的なコメントが増えると恒例の直近でたまったユーロショートの絞り出しとなり不沈空母神話を後押しすると考えられます。

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ユーロ円はドル中心の動きの中方向感のない状態が続いています。本日は昨日のアジア時間のサポートとなっている141.10近辺を守ることができるかどうか、昨日のNYの高値である141.9、また節目の142.00を上抜けることができるかどうかに注目が集まります。抜けてくると抜けてきた方向への圧力が強まると考えられますが、ドル中心の相場展開が続いていることから引き続き方向感の出にくい展開は続くことが予想されます。
ドル円同様に日銀の金融政策決定会合には注意が必要です。サプライズの可能性は低いと思われますが一応の注意は必要です。

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ポンドドルもユーロに併せ、底堅い推移となり、前日の高値である1.6607近辺を上抜ける推移となりましたが、上値の重さが出てきています。本日は昨日のサポートとなった1.66を守りきることができるかどうかに注目したいところです。さらに昨日上値を重くした1.662をしっかりと上抜けての推移ができるかどうかにも注目したいところです。
日足チャートでは依然として保ち合い状態が続いていることから、この保ち合いをどちらかに抜け出すと強い波動となると考えられます。
また欧州時間には英国の鉱工業生産の発表が予定されています。発表直後には上下に揺さぶられる展開となることが予想されますので注意が必要です。

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豪ドル円は0.93が強いレジスタンスとなり伸び悩む展開となっています。引き続き0.93を上抜けることができるかどうかに注目です。下は昨日のサポートとなった0.9255近辺を守ることができるかどうかに注目です。
明日にFOMC議事録、10日に豪雇用統計、中国貿易収支とイベントを控えていることから、動きにくい可能性もありますが、現在のレンジをどちらに抜けるのかをしっかりと確認したいところです。

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【本日の注目材料】
本日は日銀の金融政策決定会合の結果発表、その後に黒田総裁の会見が予定されています。現在先走って金融政策変更なしリスクを警戒した円買いが進んでいることから変更なしでもインパクトはそれほどないと予想されますが、サプライズ追加緩和の可能性も含め円絡みの通貨ペアの取引を行う方は注意が必要です。

また、黒田総裁の会見にも注目が集まり物価の上昇に満足感たっぷりで直近の追加緩和期待を削ぐ内容となると円買いが進む可能性が考えられます。
欧州時間にはユーロ圏要人からのコメント機会が予定されています。量的緩和に関するコメントに注目が集まり量的緩和に対し積極的な姿勢であればユーロ下押し材料、消極的な内容であればユーロ底上げ材料となることが予想されます。
米国時間には今後注目度が上がることが想定されるJOLT求人労働異動調査の発表が予定されています。イエレン議長も注目する経済指標ということで注目が集まります。
また、米国時間にはFOMCでの投票権を持った連銀総裁のコメント機会も予定されていることから、利上げ時期に関する何等かのコメントが出ると材料視される可能性があると思われます。

【本日の予定】
日銀金融政策決定会合結果公表
国際通貨基金(IMF)、世界経済見通し公表
08:50 2月国際収支
10:30 豪3月NAB企業景況感、信頼感
14:00 3月景気ウォッチャー調査
15:30 黒田日銀総裁記者会見
17:30 英2月鉱工業生産、製造業生産
21:15 加3月住宅着工件数、建設許可件数
21:45 ファンロンパイEU大統領コメント
23:00 英国立経済研究所(NIESR)GDP予想
23:00 JOLT求人労働異動調査
翌1:30 ワイトマン独連銀総裁講演
翌2:00 米3年債入札(300億ドル)
翌2:30 コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁(投票権あり)講演
翌3:45 プロッサー米フィラデルフィア連銀総裁(投票権あり)講演
翌5:00 エバンス米シカゴ連銀総裁(投票権なし)講演

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト