FOMC後ドル買い強まる

昨晩の概況

昨日は今年最後のFOMCの結果発表が行われました。声明文では注目された低金利維持に関しての「相当期間considerabletime」の文言は付記として一応残ったものの、「金融政策スタンスの正常化の開始に関しては忍耐強いものとなるcanbepatient」といった2004年の利上げ前に使用していた文言への変更となりました。「相当期間」に関しては市場の先走りに配慮した措置とも考えられ、実質的には「相当期間」の削除が行われたと捉えることができます。
経済見通しに関しては失業率見通しが大きく引き下げ、物価見通しも原油価格の下落を反映し引き下げとなり、金利見通しは大きな変化はなかったものの、若干ですが下へシフトしているようにも見えます。
イエレン議長の記者会見では1月と3月の会合での利上げ開始の可能性が低いこと、記者会見付きの会合以外での変更も有りうることなどが示されました。これまで定説となっていた記者会見なしの会合では変更が行われないとの意識を強く否定していることは来年に向けて覚えておきたいところです。
声明、経済見通し等は全体を通して市場ではハト派に映った模様で、発表後はドル売りが強まる展開となりましたが、長続きせずイエレン議長の会見が始まるとドルが今度は買われる展開となりました。株式市場はFOMCを受けて堅調な推移となりリスクオン地合いを演出し米国債利回りがジワリと上昇となったことがドル円を押し上げ、さらには欧州時間のクーレECB理事から来年初めに大規模な資産買い入れに乗り出す見通しが報じられていたことなども意識されてかユーロドルも下落を強める推移となりました。

また、FOMCの影に隠れ注目は薄かったもののギリシャでは大統領選が行われましたが選出に必要な票は得られず、23日に予定される第2回目の投票に向かうこととなりました。3回目の投票で決まらない場合は議会が解散し総選挙となります。総選挙となれば緊縮財政への反対勢力が勝利するという事態も考えられ、ギリシャの財政支援への懸念、ECBの国債購入への障壁となりかねないことから今後注目が集まるかもしれないことは頭に入れておいた方がいいかもしれません。

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【主要通貨ペアの推移】

ドル円はアジア時間から底堅い推移を続けFOMC後にさらに上値を伸ばす推移となっています。現在119.00がレジスタンスとして上値を抑えていることから本日はこの119.00を上抜けることができるかに注目したいところです。119.00を上抜けたところにはストップ買いもそれなりに控えていることも想定されることから短期的に上昇が強まることが予想されます。

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ユーロドルはジワリジワリと値を下げた後はクーレECB理事のコメントから下抜け、FOMC後にはさらに下げ幅を拡大となりました。現在は1.232がサポートとなっています。このラインを割り込むともう一段の下落余地が生まれると考えられます。ただし、反発地合いが強まったときは溜まったユーロ売りのポジションショートスクイーズには注意したいところです。

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ユーロ円はドル円にサポートされ安定推移となりましたが、上値の重さも残り、前日の高値を超えるには至っていません。レジスタンスとなっている147.00を上抜けるとさらなる上昇余地も生まれると考えられますが、上抜けることができないと方向感のないレンジ推移が続くと予想されます。

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ポンドドルはドル買いに押され下値を探る動きとなりました。1.554付近では12月8日にもサポートされていることから本日はこのラインを割るかどうかに注目したいところです。割り込んだところにはストップ売りが溜まっていることが想定されることから、短期的に下落スピードが加速する可能性が高まります。

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上値の重い豪ドルは欧州時間以降に反発地合いが強まる場面も見られましたがFOMC後に強まったドル売りに押され安値を切り下げる動きとなりました。サポートとなったのは0.81手前となっていることから本日は0.81がサポートとして意識され割り込むと0.8割れを試しに行く動きが強まると考えられます。スティーブンス総裁の0.75を望む発言も意識され、引き続き上値の重い推移が予想されます。

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【本日の注目材料】

本日は欧州時間に独IFO景況指数、英国小売売上等の経済指標、米国時間は新規失業保険申請件数、マークイットのPMI、フィラデルフィア連銀景況指数などの経済指標の発表が予定されています。先日NY連銀製造業景況指数がまさかのマイナスとなっていたことからフィラデルフィア連銀製造業指数への注目は高いと考えられ、弱い結果となると製造業へ不安が強く意識され、ドル売りが強まる可能性も考えられます。
また、昨日は反発に転じたロシアルーブルを始めとする新興国通貨や原油価格の動向にも引き続き警戒は必要だと思われます。
今年最後の大きなイベントであるFOMCを消化したことから、相場の流動性もさらに薄れ値動きも徐々に荒りつつあることには十分に注意したいところです。

【本日の予定】

08:50 日対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)
18:00 独12月Ifo景況感指数
18:30 英11月小売売上高
19:00 ユーロ圏10月建設支出
22:30 米新規失業保険申請件数
23:45 米12月マークイット総合・サービス業PMI速報値
翌0:00 米12月フィラデルフィア連銀製造業指数
翌0:00 米11月景気先行指数
翌3:00 米5年物インフレ連動債入札

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様

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佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト