マーケット

FOMCはハト派寄り、ドル売り強まる

【著者】

昨日は欧州時間に発表された英国雇用統計が賃金の上昇率が市場予想をしっかりと上回る好結果となったことからポンド買いが加速する動きとなりました。BOEのMPC議事録では利上げ賛成票は出なかったものの引き続き2人の議員がギリギリの判断で見送ったことやインフレ低下の要因が少なくなってきていること、賃金上昇の加速が指摘されていたこともポンドの下支え材料となりました。

米国時間にはFOMCの発表が行われ、政策金利は市場予想通り据え置きとなりました。注目が集まった金利見通し(ドットチャート)では2015年末の金利予測が0.375、0.625、0.875がそれぞれ5名つづで横並び状態となり、利上げ無しを予想するメンバーが2人とされ、9月利上げの可能性を残す結果となりましたが、声明文、イエレン議長の記者会見共に市場の予想よりもハト派的な内容となり、9月利上げ開始観測を押し上げることはできませんでした。

今回のFOMCでは年内の利上げ開始は9月を含め考えているものの、9月の利上げ開始のハードルは決して低くない状態、利上げを開始してもペースは緩やかになるといった状況であることが確認されました。今後の経済データで雇用、物価を中心に確信を持てるようになってから利上げ開始とされていますが、現状、雇用データの改善傾向は見られているものの、製造業関連を中心にその他のデータは冴えないデータも多く、46月期の成長率にも怪しい雲がかかっている状態となっており、9月のFOMCまでに確信を得られるかは微妙な状態とかんがえられ、今後も米国経済指標への注目度は高く、一喜一憂相場が続くことが予想されます。

NYダウ

ハト派寄りのFOMC議事録を受けてドルは全面安となり、欧州時間も強い動きとなったポンドドルはとうとう5月14日の高値である1.5728を突破する推移となっています。米国株式市場も利上げペースが緩やかになることなどが好感され底堅い推移となりました。

主要通貨ペアの推移

ドル円はアジア時間午後からジリジリと上昇を続け124.30付近まで上昇となり、FOMCの声明、経済見通しの発表後乱高下した後、下値を切り下げ、アジア時間からの上昇分を全て吐き出す動きとなっています。日足チャートでは長い上髭を残しての推移となり、5月中旬と6月10日の安値を結んだトレンドラインに接触する状態となり、もう一段下落すると下方向への動きが加速しそうな状態となっています。まずは6月10日のサポートとなった122.46付近を守れるかどうかに注目したいところです。

ドル円

ユーロドルはギリシャ懸念もあり上値の重い推移となっていたものの、FOMCの結果を受けて上昇となり1.14に迫る動きとなっています。今月に入り上値を抑えている1.14を突破すると保ち合いを脱出、ストップ買いを絡め上昇速度が加速しそうな気配が漂っていますが、本日はユーロ圏財務相会合が控えているため、ギリシャ関連の報道で神経質な動きとなることが予想されます。また、昨日のNY時間のサポートとなった1.133を割り込む動きとなると一時的に売りが強まる可能性も考えられます。

ユーロドル

ユーロ円はジリジリと上値をおう動きとなり、前日の高値を更新する動きとなり、レジスタンスとなっていた140.00を先ほど上抜ける動きとなりました。次の上値のターゲットとしては今月2回上値を弾いている141.00付近で上抜けると145円も視野に入れた上昇への期待が高まります。

ユーロ円

ポンドドルは絶好調モードとなっています。英国雇用統計、BOE議事録を受けて上昇が強まり、5月14日の高値である1.5728を突破する動きとなっています。週足チャートなどでみるとヘッドアンドショルダー類似の形のネックライン上抜け状態となり、1.6トライへの期待が高まっています。本日は英国小売売上の発表が予定されていますが、単純に賃金の上昇が確認され、物価が伸び悩んでいることや5月はロイヤルベイビーで英国が盛り上がっていたことなど考えると期待できるかもしれません。ただし、昨日頑張りすぎた分の調整にも多少警戒が必要です。

ポンドドル

豪ドルは米国時間までは下値を探る動きとなり、0.76台中盤まで押し込まれる動きとなりましたが、FOMCの結果を受けて反発する動きとなりました。本日はNZのGDPが弱い結果となったことから連れ安となっていますが、日足チャートでは長い下ヒゲを残し、反発の兆しが出てきています。ドル高にブレーキがかかり6月3日の高値である0.782付近を突破する動きとなると傾きが変わり、0.8付近をターゲットとした上昇基調が強まると考えられます。

豪ドル

本日の注目材料

本日は昨日のFOMCの余波を確かめながらの一日となります。米国の利上げ観測は後退したと言わざるを得ず、溜まったドル買いポジションの整理がどの程度進むかに注目したいところです。また、欧州時間は英国小売売上の発表が予定されており、前月に続き好調キープとなるとポンド買いに拍車がかかるかもしれません。

米国時間は米国消費者物価指数、新規失業保険申請件数、経常収支、フィラデルフィア連銀製造業景況指数と粒揃いのラインナップとなっています。FOMCの直後ということもあり、消費者物価指数が弱含むようであればドル売りが加速するきっかけとなる可能性があるため警戒が必要です。

また、本日はユーロ圏財務相会合が予定されており、ギリシャ支援に関して山場を迎えることになります。交渉は難航が予想されており、ユーロを中心に神経質な動きとなることが予想されるため、ポジション調整等のリスク管理の徹底をお勧めします。

本日の予定

ユーロ圏財務相会合

07:45 NZ13月期GDP
08:50 日対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)
12:45 日40年国債入札(4000億円)
16:30 スイス国立銀行(SNB)政策金利発表
16:30 ヴェスタエアー欧州委員講演
17:00 ジョーダンSNB総裁会見
17:30 英5月小売売上高
17:30 オルセン・ノルウェー中銀総裁記者会見
21:30 米5月消費者物価指数
21:30 米新規失業保険申請件数
21:30 米13月期経常収支
23:00 米6月フィラデルフィア連銀製造業指数
23:00 米5月景気先行指数
翌2:00 米30年物インフレ連動債入札

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト