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FOMCは本当にタカ派的になったのか?_9.22

【著者】

声明文はよりハト派的に

 先週開催された米FOMC後に発表になった、FOMCメンバーの政策金利見通しが、これまでと比べ大きく上方修正されたとして、米長期金利が上昇し、ドル円は一段高となって109円台にのせました。

本当にFOMCはタカ派的になったのでしょうか?

 たしかにFOMCメンバー(FRB議長、副議長、理事、各地区連銀総裁)17人全体を見れば、前回より確実に金利見通しは上振れしています。ただ、この見通しでは誰がどの見通しを示しているのかはわかりません。FOMCでは(NY連銀総裁を除く)11人の地区連銀総裁のうち4人が入れ替わりで投票権を得ますが、今年投票権を持つメンバーのフィッシャー・ダラス連銀総裁とプロッサー・フィラデルフィア連銀総裁はFOMCの中でも最もタカ派的な2人で、今回のFOMCでも決定に反対票を投じています。一方来年投票権を得る地区連銀総裁のうちエバンズ・シカゴ連銀総裁とウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁はハト派で知られていて、来年の投票権メンバーは現在よりハト派的になると考えられます。したがって全員の見通しよりも来年の投票権メンバーの見通しはよりハト派と考えられます。

 一方声明文では、量的緩和終了後に低金利を維持する期間としての「相当の期間」という単語が削除されなかったこと、さらに「労働資源の著しい不活用が続いている」という表現も変わらず、さらに、労働市場の改善について「幾分」という表現が加わり、インフレに関して長期的目標に幾分近づいた、から「長期目標を下回って推移」に大きく後退しています。このように声明を見ると、声明の内容に大きな影響を与えると考えられるFOMC執行部(議長、副議長、NY連銀総裁)は以前にもましてハト派的な見方をしていると考えられます。

 そう考えると、金利見通しから利上げ時期の前倒しを織り込んだ今の相場が、近い将来FOMCのハト派メンバーの発言などで見方の修正を強いられる可能性があって、その場合は長期的なドル高相場は変わらないとしても短期的にそれなりの値幅でドル安方向の修正局面があるのではないでしょうか。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト