FOMC議事録はドル売り巻き戻しのきっかけとはならず・・・。

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外国為替マーケット情報|2014/04/10

昨日の注目されたFOMCの議事録においてイエレン議長のFOMC後の記者会見でのQE終了から利上げ開始時期に関する「多分、6カ月くらいかしら」との発言がFOMCメンバーで議論されたものでないことが確認されたことから、かすかに残っていた早期利上げ観測が後退し、米国債に買いが入り、米国債利回りが低下、ドル売り地合いが続く展開となりました。

ドル円と米国債利回りの相関を見ると、引けにかけて上昇した10年債利回りに併せて上昇しているのに対し、低利回りでの推移を続ける2年債との相関は今のところ薄い状態が続いているのが確認できます。

米国株式市場ではFOMC議事録がハト派的に受け止められたことから昨日に続き上昇となっています。為替相場では前日頑張りすぎた円を除いての主要通貨が対ドルで上昇となりました。

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【各通貨ペアの動き】

昨日のドル円はアジア時間はジリジリと上値を伸ばしたものの102.15近辺がレジスタンスとなり上値を抑えられ、NY時間に入ると再度102円を割り込み下値を探る動き、FOMC議事録前には一時小反発するものの、FOMC議事録後は再度下落、101.70近辺をサポートとしNY引けにかけては米国10年債利回りの上昇に併せて再度上昇、102円台を回復と101.70-102.15近辺でのレンジ内での推移を続ける展開となりました。

本日はFOMC議事録の結果が地球を1周するまでにこの101.70-102.15のレンジのどちらに抜けていくかに注目したいと思われます。102.15を上抜けることが出来ればもう一段の上昇も見込むことができると思われます。本日はアジア時間に中国の貿易収支、米国時間には米国の週間新規失業保険申請件数の発表が控える他には大きなイベントは予定されていません。

イエレン議長のFOMC後のコメントが失言であったとしても米国がすでにQEを縮小に着手し、今後も秋に向けてQEを縮小していく方針が変わったとも考えられないことから、日米の金利差は大きい流れでは徐々に広がっていくことが想定されることから、今ある材料だけでは円高方向にそのまま進んでいくことも考えにくいと思われます。日足チャートでも2月初旬と3月中盤の安値を結んだラインに近いところで下ヒゲを残し反発する気配が高まっています。

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不沈空母ユーロはFOMC議事録後のドル売りに後押しされ1.38台を回復、1.38台後半での推移となっています。次に意識されるのは3月24日の高値である1.3876となり、それを抜けると1.39へのトライとなります。当面のターゲットは3月中旬の高値である1.3966と考えらえます。サポートは議事録後のサポートである1.385、議事録前のレジスタンスであった1.383近辺、節目でもある議事録前の水準1.38などが候補となると考えられます。

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ユーロ円はユーロドルの上昇に牽引され141円台を回復となりました。本日は4月7日の高値である141.90を上抜けることが出来るかどうかに注目したいと思います。このラインを上抜けると先週末もみ合った142.50近辺をターゲットとした上昇へとつながる可能性が高まります。サポートは節目の141.00、昨日のサポートとなった140.60近辺が候補となると考えられます。

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ポンドエクスプレスはFOMC議事録後のドル売りを受けて上昇を強めています。現在2月17日の高値である1.6822近辺に迫るところまで上昇を強めています。この水準を上抜け2009年11月の高値である1.6875を上抜けると2009年8月の高値1.7043が視野に入ってきます。さらに月足でみるとこの1.7043を上抜けてくると長期的には2.0も視野に入れた大上昇の可能性も広がってくる状態となっています。

本日は欧州時間にBOEの金融政策決定会合の結果が発表されますが、金融政策は据え置きが予想され、市場の注目も低いことから、サプライズ変更とならない限り、影響は限定的になると予想されます。

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豪ドルも底堅い推移が続いているものの本日の豪雇用統計、中国の貿易統計の発表を控えて動きが鈍い状況となった後、豪雇用統計にて失業率が市場予想に反し低下となったことから大きく跳ね上がる推移となりました。雇用者数も前回大幅増加となった正規雇用者数は前月比で減少となったものの非常勤雇用者数が増加となり雇用者数全体ではプラスとなりました。

本日は経済指標でドカンと上昇となったことから多少の調整は入ると考えられますが、底堅い数字を見せ始めた他の豪経済指標に、微妙な結果が続いていた失業率の低下という事実が加わったことにより、オーストラリア経済回復への期待を高め、豪ドル高を下支えする強い材料となると考えられます。

本日はこれから、中国の貿易統計も控えていますが昨年の11月19日に上値を抑えた0.945近辺を上抜けることができるかどうかに注目したいところです。しっかりと上抜けると0.95台が視野に入ってきます。サポートと考えられるのはFOMC議事録後のレジスタンスである0.94、本日の安値である0.937近辺と考えられます。

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【本日の注目材料】
本日は米国時間に新規失業保険申請件数輸入物価指数の発表が予定されていますが、大きなサプライズとならない限り影響は限定的なものになると考えられます。それよりも、昨日のFOMC議事録が地球を1周してどのように受け止められるかに注目したいところです。市場はハト派的に受け止めていますが、QE縮小、その後、相当の期間を置いた後に米国経済の回復を見極めた上で利上げサイクルに入るというスタンスに変更はないことから、今ある材料だけでは、ドル売りがいつまでも続くとは想定しにくいと思われます。株式市場、米国債券市場の動きも併せ、ドル売り地合いがどこまで続くのかをしっかりと見極めたいところだと思われます。

【本日の予定】
G20財務相・中央銀行総裁会議
時刻未定 中国3月貿易収支
07:30 NZ3月企業景況感(PMI)
08:01 英3月RICS住宅価格
08:30 タルーロFRB理事、講演
08:50 2月機械受注
08:50 対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)
10:30 豪3月失業率、就業者数
10:30 宮尾日銀審議委員コメント
15:00 3月工作機械受注(速報値)
17:00 4月ECB月報
20:00 イングランド銀行金融政策委員会(MPC)結果発表
21:30 米3月輸入物価指数
21:30 米新規失業保険申請件数
21:30 加2月新築住宅価格指数
21:45 ラガルドIMF専務理事会見
22:00 プラートECB理事講演
翌0:50 ラジャン・インド中銀総裁、コンスタンシオECB副総裁、エバンス米シカゴ連銀総裁(投票権なし)、トンビニ・ブラジル中銀総裁コメント
翌2:00 米30年債入札(130億ドル)
翌3:00 米3月財政収支
翌3:00 コンスタンシオECB副総裁講演

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チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

【闘魂注入】シュラスコ佐藤の大胆予想! 佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト