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FOMC「次回会合で判断する」

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状況は変わっていない?

昨日の海外時間には、発表されたFOMCの声明で12月の利上げの可能性が示唆されたことから。

欧州時間、FOMCを控えていることからドル円(USD/JPY)は120.40円を挟んだ非常に狭いレンジ内の取引が続きました。この間、スウェーデンが予想外に資産買入れの規模を拡大したことなどから欧州株が上昇し、ユーロが堅調に推移し、ユーロドル(EUR/USD)は1.1070台まで、ユーロ円(EUR/JPY)は133.30円付近まで上昇しました。

NY時間にはいってもユーロ買いの流れが続き、ユーロドルは1.1090付近まで、ユーロ円は133.40円付近まで上昇しました。その後発表された原油在庫統計で、在庫の増加が予想よも小幅だったことなどから原油相場が急騰し、豪ドルなどが買われる中、ユーロドルは1.1090台まで、ユーロ円は133.50円台まで上昇しました。

FOMCが終了し、予想通り利上げ開始は見送られましたが、声明で「次回会合でこのターゲット・レンジの引き上げが適切になるかどうかを判断する」などとされたことから米長期金利が上昇し全般的なドル買いが強まりました。ドル円は声明発表と同時に120.00円付近まで下落したあと121.20円台まで上昇し、ユーロドルは1.0890台まで、ユーロ円は131.90円台まで下落しました。

東京時間にはいってからは、発表された9月鉱工業生産が予想よりも強かったこともあって、上昇して取引を開始した日経平均が反落していることから円買いが強まっています。

今日の海外時間には、英・10月ネーションワイド住宅価格、独・10月雇用統計、ユーロ圏・10月業況判断指数、米・第3四半期GDP/個人消費/GDP価格指数/コアPCE、米・新規失業保険申請件数、独・10月消費者物価指数、米・9月中古住宅販売保留指数の発表があるほか、ロックハート・米アトランタ連銀総裁、コンスタンシオ・ECB副総裁の講演が予定されています。

注目されていたFOMCは、予想通り金融政策の据え置きを決定した一方、声明の変更は非常にタカ派的、とされました。
声明の大きなポイントとしては、前回あった「最近のグローバルな経済・金融動向は経済活動をいくらか抑制する可能性があり、短期的にインフレに対してさらなる下押し圧力を加える可能性が高い」との文言が削除されたことと、「現在のFF 金利の誘導目標のレンジを維持する期間を決定するにあたり」との表現が「FF 金利の誘導目標のレンジを次回会合で引き上げるのが適切になるかどうか判断するにあたり」に変更されたことです。
しかしながら、一方で前回の「労働市場は、堅調な就業者数の増加と失業の低下を伴って、引き続き改善した」は「雇用の増加は減速し、失業率は横ばいだった」とハト派方向への変更もありました。

確かに次回の会合にスポットライトを当てたことは非常に重要なポイントとは言えますが、利上げの条件として「労働市場のあと少しの改善」と「インフレ率が中期的に2%の目標に戻っていくとの合理的な確信」を挙げている中で「雇用の増加は減少」していることから、来週、そして12月4日に発表される雇用統計で改善が見られるのか、という点に利上げの有無が掛かっていると言えます。という事はこれまでと状況は変わっていない、ということですので、昨日のFOMC声明を受けたドル買いは続かない可能性が高いと考えられます。したがってドル円が121円を大きく超えていくためには明日の日銀金融政策決定会合でな何等かの追加緩和の決定か示唆があることが必要ではないでしょうか。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト