為替介入についての考察

【著者】

1ドルがいよいよ100円に迫るなか、為替介入に関しての思惑が高まってきているのは間違いありません。

今回は過去の為替介入を振り返りながら、100円割れで為替介入があるのか否か。
または介入が行われるとしたらどの水準となるのかを考えていきたいと思います。

参考:ドル円100円割れ目前!100円割れは買いか売りか

為替介入の条件と時間帯

まず、為替介入が行われる条件としては為替の乱高下という条件が必要となります。
この乱高下となるのは、1日2円以上。もしくは、前日の外国為替市場で2円以上の下落となり東京市場を迎えた場合でしょう。

また、リーマンショック以降に行われた為替介入では、年初来安値水準での介入が行われ、うち2回は過去の最安値を更新していました。
今回も年初来安値という条件と1ドル100円割れというクリティカルな条件は満たしており、仮に1日にして99円、98円に急落した場合は為替介入の可能性が高まることになります。

単独介入が行われる時間帯としては、最後に実施した2011年10月31日が午前10時25分ごろだったことから東京時間の午前中で仲値後が有望だと考えられます。

過去10年の為替介入の内容

時期 水準 結果 財務大臣
2010年9月15日 82円後半 85円まで3円円安 野田佳彦
2011年3月18日 76円後半 86円まで9円の円安 野田佳彦(G7協調介入)
2011年8月5日 76円前半 80円まで4円の円安 野田佳彦
2011年10月31日 75円半ば 79円まで4円の円安 安住淳

介入を行えばどうなる

まず、ドル円が100円割れで財務省が為替介入をしたとしましょう。
リーマンショック以降に日本が単独介入を行った際には、3円から4円の円安誘導となりました。
仮に、99円50銭で円売り介入を行い3円50銭円安に持って行ったとすればその時のレートは103円となります。

では、チャートを見てみましょう。

ドル円4時間チャート

見事に戻り売りのチャンスを与えてしまうことになってしまいます。
過去の為替介入後の値動きを見ても、東京時間に高値を付けた後はひたすら売られ続け、数日後には元に戻るということとなっています。
財務相もそんなことは百も承知しているでしょう。

参院選挙を前に為替介入で少しでも株価を。。という理由もあるかと思いますが、英国初の円高を為替介入で止められるわけはないのではないでしょうか。

100円割れでの介入は現実的でない

政府としては、半年で20円以上も進んだ円高を止めたいという意思は強いでしょう。
それは、麻生大臣の発言などを見ても明らかです。

しかし、米国はどうでしょうか。
米国要人の発言では、為替介入に否定的なことは明らか。英国の投票の際に1ドルが100円割れとなった、ルー財務長官は「市場にはある種の秩序がある 単独での介入は安定を損なう」と発言しています。
今年は大統領選ということもあり、ドル安へと持っていきたい思惑もあり尚更介入には否定的でしょう。

また、2011年の時のように『ドル円の最安値の更新を食い止めないと日本の輸出企業が大損してしまう。』という状況でもありません。英国のEU離脱という材料がある限り、無秩序な円高とはいえず、為替レートは市場に任せるべきだという米国側からの発言が出てきそうです。

結果、1ドル100円割れでの介入の可能性は極めて低いのではないでしょうか。

今後のプロセス

とはいえ、日本政府としてはあらゆる手を尽くして円高を阻止してくるでしょう。
具体的には、以下の3つがあります。

・口先介入
・黒田総裁の官邸入り
・政府トップの会合の実施

このなかで一番効果があるのは黒田総裁の官邸入りでしょう。
2015年にこれが報じられた時にはドル円を1円以上円安に押し上げる結果となりました。

今後は東京時間には政府要人からの発言に加え、年金からの買いの噂なども合わさり、より緊張感が高まる相場となりそうです。

乱高下が激しいですが、このボラティリティを上手く味方につけ収益を上げていきたいですね!

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児山将|みんなの外為スタッフ

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みんなの外為で記事を書いています。 大学生の時からFXを初めて6年以上。FXの楽しさを伝える為に、みんなの外為を盛り上げていきます。初心者の方でも分かり易く学べるように、難しい専門用語やマーケットの説明、FX業界について記事にしていきます。 みんためのTwitterでもつぶやき中!