FX取引に役立つオプションの知識

【著者】

オプション情報は相場を動かす

オプションという言葉は、FXをやっていたらニュースやアナリストの言葉などでよく耳にします。
でも、ちょっと分かりづらいですよね。
そんな取っ掛かりにくいオプションについて、説明します。

通貨ペアでは特にドル円はオプションが絡んでいて値動きが決まることも多いようですので、覚えておけば、きっと取引の役に立ちますよ!
オプションの仕組みなど、難しいことは考えずに読んでみて下さい。

ノックアウト・オプション

ノックアウトオプションとは、その価格がついてしまう(タッチする)とノックアウト(消滅)してしまうオプションのことです。
このオプションの噂が出てくると、オプションバリアという言葉を耳にするようになります。
これは「オプション・トリガー」ともいい、オプション取引において、設定している価格にタッチした場合に、オプションの権利を持っている投資家が損をするというものです。
逆に100円にタッチしなければ、利益となります。

細かな説明を省いて簡単に説明すると、例えばドル円100円にノックアウト・オプションがあるとします。
このオプションの権利を持っている投資家は、100円にタッチしてしまうと損をしてしまいます。
なので、だいたい99円50銭~70銭くらいに近づいた時点で、100円を越えないように大量の売り注文を入れて防戦します。

逆に、投機的なファンドなどは100円を突破すれば、防戦売りを行った大量の売り注文の損切り(ロスカット)で価格が上昇するため、大量の買いで攻めるケースがあります。

オプションには期限がありますので、あと2日でオプションの期間が終了するという場合は、オプション保有者はあと2日間100円を守れば収益が上がるため防戦売りを行う可能性が高いでしょう。

しかし、オプションの期間があと10日もあるという場合は、諦めて防戦しないことが多いようです。
この場合は、市場の売買が少なくなりますので、防戦が入った時よりもインパクトは小さなものになります。

ダブルノータッチオプション

ダブルノータッチオプションといえば、中国系金融機関というほど、彼らが好んで行う取引の様です。
このオプションはある一定の期間内にレンジに収まると利益になるというものです。

具体的には、アベノミクス相場でドル円が上昇している際に、86.75円~90.75円というダブルノータッチオプションが話題になりました。
期間は2ヶ月あるらしい、レンジ幅が3円のダブルノータッチオプションです。
結果はどうなったかというと、チャートを見てのとおり。
オプション1

アベノミクス相場の強力な上昇には逆らえず、市場で噂になってから10日程度で簡単に突破されてしまいました。

日足だと見づらいのですが、ポイントは一度はレンジの下でしっかり止まっているということですね。
上方向でも、一度は上値を押さえられていますので、防戦売りが出たのか、
もしくは、ドル円を買った投資家がオプションの噂から、利益確定に動いたと考えられます。

NYオプションカット

FX会社のニュースでよく流れるオプション関係の言葉に、「NYオプションカット」という言葉があります。
これは、カットオフタイムとも呼ばれ、「通貨オプション」の権利行使の最終的な締め切り時間のことです。
NYオプションカットの時間帯は、日本時間の24時です。(夏時間は23時)

通貨オプションとは、あらかじめ定められた期間や期日に、定められた価格で買う権利、または売る権利を売買する取引のことです。

具体的には、1か月後にドル円を100円で100万ドル買う権利という感じです。この権利を売る側は、証券会社や銀行などの金融機関で、買う側はトヨタなどの貿易企業であったり、投資目的の金融機関になります。

上記の1か月間ドル円を100円で買う権利を100万円としましょう。
そうすると、買った側はオプションカットの時間にドル円が100円よりも安ければ権利を行使する必要がありませんが、ドル円が100円よりも高ければ権利を行使します。
仮にドル円が105円だと、市場で105円で売ってすぐに買い戻せば5円の利益になりますからね。

しかしながら、100円に近ければどうなるでしょう。
権利を買った側は100円より上で時間を迎えたいですが、売った側はそうならないようにドル円を売っていくかもしれません。
そのような思惑の売買が働くために、NYカットの時間帯では、設定された価格付近に近づく傾向があるようです。

オプションガンマトレード

ガンマトレードとはオプション買い持ちのトレーダーや売り手の銀行などが、そのオプションをバックにトレードすることをいいます。

たとえば100円のドルプット(下がると利益の出るオプション)を持っているトレーダーは、100円割れはドル買いができるので、ドルを買い下がり、上昇すれば買ったドルを100円で売るというトレード手法。

このようなオプションの需給があるために、巨大なオプションが設定されている場合、オプションの期日が来るまでレンジ相場になる傾向があります。

特に注目度の高い材料や経済指標などがなく材料難の相場では、オプションの需給が市場をコントロールする可能性が高まります。

このガンマトレードは、主にドル円とユーロドルで多く見られます。

オプション情報は参考程度に

巨大な為替市場において、どんなビッグプレイヤーであっても、一人で市場全体のフローを引き受けるなど無理な話です。
実際にはトリガーがヒットしたら 利益を得る側、つまりオプションの売り手がヘッジの注文を出している場合がほとんどのようです。

この辺の細かいメカニズムは、詳しく説明すると長くなってしまいますので省略させていただきますが、あくまで数ある取引材料の参考程度に考えるくらいがちょう良さそうです。
市場参加者の間で噂が立ってきたら、オプション情報をいつもより気にしてトレードしてみてはいかがでしょうか?

参考:FXのオプション情報を取引に利用する方法