ギリシャ国民投票の結果がどうあれ、ユーロ売り

国民投票の質問

いよいよ今週末にギリシャの国民投票が行われます。
投票結果は日本時間の午前3時頃から明らかになってきて、6時頃にはほぼ結果が確定するとのことです。

投票の内容をおさらいをしておきます。

・欧州委員会(≒EU)・欧州中央銀行ECB)・国際通貨基金IMF)(= the Institutions) が6月25日に開催されたユーロ圏財務相会合で提出した合意書を承認するか否か。

この議題についてギリシャ国民は投票を行うことになります。

the institutions から提出された合意書内容に賛成する 『YES』
the institutions から提出された合意書内容に反対する 『NO』

この合意書は「現在そして将来における支援プログラムの改革案」と、「債務の安定性に対する分析」の2つのようですが、つまるところ更なる緊縮財政の受け入れか否かということになります。

現在ギリシャでは、銀行が閉鎖しており、預金の引き出し額も1日6000ユーロまで。株式市場も月曜日まで休場となっており、生活必需品もなくなりつつあるという非常事態となっています。

仮に『NO』という答えを選択してしまうと、自分たちの預金はおろか、今以上に悲惨なことになる可能性が考えられます。

日々の世論調査などではYESとNOは拮抗しているといいますが、常識的に考えればYESを選択する人の方が多くなるのではないでしょうか。

月曜日からのユーロの行方

さて、国民投票を受けての為替市場への影響ですが、結論からいうと「YES」,「NO」どちらの結果が出てもユーロ売りとなるのではないでしょうか。

それぞれの場合に起こり得るシナリオを見ていきましょう!

YESとなった場合

チプラス首相が公言している通り、政権が退陣するため総選挙を行う必要があります。
こうなれば政治的空白も生まれ、さらに決定権のあるリーダー不在となり不透明感が続きユーロ売りが予想されます。

しかし、そのインパクトは来週で終わる程度のものではないでしょうか。

市場参加者はやっと一段落のついたギリシャ問題に愛想をつかし、「Who is next」とばかり次なる材料(中国など)を探すことでしょう。

NOとなった場合

こうなると、完全にギリシャのデフォルトがIMFより決定される可能性があります。それは今さらインパクトがないですが、EFSFからの借金も確定してしまいますので、こちらの格下げが予想されます。
また、大統領の退任も考えられます。
 
そして、こうなるとチプラス政権の継続となり債権団との話し合いがますますまとまらずに結局不安要素が増加することでユーロ売りとなると考えられます。

しかし、どちらの場合もユーロ圏の離脱の可能性は極めて低いと考えられます。

ユーロ急騰の可能性

大混乱となった場合でも、ユーロが急騰する可能性があります。

それが、ユーロ買い介入が実施された場合です。
過去にユーロ買いが行われた時は2000年9月。G7がユーロの買い支えを目的とした協調介入を行いました。2011年の秋には、ドイツDAXが5%の下落、NYダウが400ドルの下落という恐ろしい下落相場となっている時に、協調介入ではないもののG7の「協調行動」を行う声明が発表されたことがありました。

今回は雑な言い方をしてしまえば「しょせんギリシャ」なのですが、米国にはドル高是正を行うチャンスです。ギリシャ問題では頻繁にユーロ首脳各国と連絡を取り合っておりますので、手段の一つとして用意しておいてもおかしくありません。

ちなみに、直近で協調介入が行われた時は東日本大震災により日経平均が暴落し、ドル円が70円台へと急落した時です。

協調介入は約1ヶ月ほど効果が持続するといわれており、76.49円まで下落していたドル円は3週間後には約10円の上昇となり85.52円まで回復しました。

ドル円協調介入

もう一つは、ドラギECB総裁がどのようなマジックを披露してくれるかにも注目が集まります。

2012年7月26日ドラギ総裁が過去に例を見ない口先介入を行いました。

「Believe me. It will be enough. Do whatever it takes to preserve the euro」

(信じてくれ。十分な対応となる。ユーロを守るためにはできうることはすべてする)

これによりユーロドルは1.2100から1.2300まで200ポイントの急騰。その後FRBによるQEの発表も有りユーロドルは1.3100まで上昇することとなりました。

ビリーブミー

今回、ドラギ総裁が「ギリシャを守るために~」とコメントする可能性は無いと思われますが、このような局面でドラギ総裁がどのような手腕を発揮するのか期待がもたれます。

いずれにせよ、6月29日のような非常に乱暴な相場展開が予想されます。1日を通して一方通行の値動きとはなりづらいと思われますので、各市場ごと(特に欧州株式市場のオープン時間)に市場の反応を見ながら対応してゆくことが良いのではないでしょうか。

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川島寛貴|みんなの外為スタッフ

川島寛貴|みんなの外為スタッフ

みんなの株式の立ち上げ当初からプロデューサーとしてアライアンス業務を推進。みんなの外為、みんなの米国株、みんなのコモディティなど兄弟サイトの立ち上げも担当。通称「為替王子」