そしてトランプの周りには誰もいなくなった

東京時間前に飛び込んできた「コーンNEC(国家経済会議)委員長の辞任」報道に市場は驚かされました。コーン委員長はトランプ政権の経済政策の司令塔とされており、今回の辞任はトランプ大統領の関税賦課に反対しての行動とされています。ただ、大統領選挙前からトランプ氏は公約に掲げていたと記憶していますので、まさか実行に移すとは考えていなかったということなのでしょう。

上記の報道を受け、ドル円は105円台ミドルまで下落。ただ、輸入勢の期末手当に伴うドル買いも相応に持ち込まれているせいか、戻りも鈍いが比較的落ち着いた動きになっています。

その背景には実需の動きがあると思っています。このところ輸入勢は期末の手当てに向けてドル調達に動いており、それがドル円の下支え要因となっていました。一方、輸出勢については社内の想定レートを下回っており、未だ動けず。
注意すべきは、期末要因として「リパトリの円買い」です。日本はご承知の通り超低金利状態が継続中です。投資家の資金は国内での運用難から過去最大規模で海外投資へ振り向けられています。期末を前にしてその資金が国内回帰するのは例年のことですが、来週以降はその動きが強まるものと思われます。

●本日より主要国の政策会合

本日から主要国の政策金利の発表が相次ぎます。まずはカナダから始まり、ECB・日銀と続きます。日銀以外は正常化への舵切りに着手しており、政策金利の変更は無くとも(カナダ・ECB共に据え置き予想です)、声明はタカ派に寄るとの見方が大勢です。金利上昇は緩和維持を打ち出す日銀の出口議論への警戒に繫がりやすく、円買い材料と見ています。このところ黒田総裁の発言で、円高に振れやすくなっているだけに、こちらも注目が集まることになりそうです。

下記チャートからも下落の動きが止まるかと思われていたところ、再度、円買いの動きが強まりつつあることが確認できます。ワンタッチ、105円割れはリスクシナリオとして想定しておく必要がありそうです。

<資料>ドル円(日足)

出所:当社チャートより

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比嘉 洋|マネースクエア シニアコンサルタント

比嘉 洋

米金利の裁定取引に長く従事。 相場の読みには定評があり、人気ストラテジストとして活躍中!