方向感の出にくいドル円

【著者】

いよいよ8月も最終週。一般的に「8月のアノマリー」として、株安→円高になりやすい月とされています。
2・8月は米債の償還額が大きいため、本邦投資家による円転フローが通常月に比べて多くなる、さらには、夏季休暇を取るプレーヤー(輸出)からの円転注文が相場の上値を押さえることが要因とされています。
今年に限っても大きな値動きはありませんでしたが、陰線で終わりそうです。なお、株式市場については陽線であり、アノマリーが当てはまらない年となりそうです。

このところのドル円の動きを見ていると、概ね110.00~112.00円のレンジでの動きが続いています。ドル安は一方でクロス円の上昇を招いており、ドル安・円安の動きによりドル円相場単体でみれば方向感が出難い状況となっています。
引き続き、この動きは続くものと考えています。米中問題、トルコ問題懸念で一時的にドル円相場が110円を割り込む可能性もありますが、110円割れの滞空時間は短いものになると見ています。

来月に入ると、中間期末を意識した円資金の国内回帰が警戒される一方、レンジ相場が続いたことにより輸入のヘッジ遅れがたびたび指摘されており、110円割れでのドル買い意欲はそれなりに持ち込まれる可能性があることもレンジ相場が続くと考える理由です。

NAFTA再交渉の後にトルコ?!

さて、このところ市場はNAFTA再交渉合意を材料にリスクオンの動きが強まっています。ただ、根本であった米中問題、トルコ問題に何ら進展はありません。今週に入り、トルコリラは対ドルで売り優勢の展開となっており、対円でもじり安の動き。トランプ大統領の次の「呟き」のターゲットがトルコに向けられるようだと、下値を試す動きが強まることになるのではないでしょうか。注意すべき時間帯と考えています。

<資料>ドル/トルコリラ(日足)

出所:Bloomberg

当社提供番組(ラジオ)

ラジオNIKKEI 「ザ・マネー~西山孝四郎のマーケットスクエア」(毎週金15:10~16:00)
毎日、旬のトピックを更新!「M2TV」

比嘉 洋|マネースクエア シニアコンサルタント

比嘉 洋

米金利の裁定取引に長く従事。 相場の読みには定評があり、人気ストラテジストとして活躍中!