ハードルを自ら上げてしまったトルコ中銀

昨日発表されたトルコの8月消費者物価指数は約15年ぶりの高い伸び(市場予想を上回る結果)となり、トルコ中銀から物価安定への重大なリスクに対応するとのコメントが発せられました。これは13日に開催される政策決定会合での利上げ実施を意味します。
発表直後こそ、トルコリラは値を戻す場面がありましたが、17円には届かず、その後は再度じり安の展開となりました。

今回の中銀コメント、何ら中身が示されたものではありません。市場としては3%程度の利上げを実施(6月会合では1.25%の利上げ、そして、7月はまさかの据え置き)しなければならないと考えていると思われますが、その利上げ幅には言及がなされていませんし、何より、利下げを一貫して主張しているエルドアン大統領から真逆のコメントが出るのでは?と市場は疑心暗鬼になっています。
つまり、市場の不安を払しょくするには不十分、小手先の対応でその場を乗り切ろうとすると、かえって中銀自体の首を絞めることになりかねません。市場関係者からは「利上げを宣言したことにより、次回会合で市場の期待を高めることになったかもしれない」との声も聞かれます。

トルコリラ円の日足チャートを確認すると、標準偏差ボラティリティは確かにピークアウトして垂れぎみ、レンジ相場へ移行しているかのように見えますが、一方で、8月下旬から前日の高値を越えられず、上値が切り下がっていることも確認できますし、21日ボリンジャーバンドの−1σ近辺でバンドウォークしていることも気にかかります。
下値に対する警戒感を意識する時間帯が続いていると考えます。

<資料>トルコリラ円(日足)

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比嘉 洋|マネースクエア シニアコンサルタント

比嘉 洋

米金利の裁定取引に長く従事。 相場の読みには定評があり、人気ストラテジストとして活躍中!