今週の見どころ 米国雇用統計他

先週の動き

先週はイエレンFRB議長の講演にて米国の年内利上げが示唆され、利上げ観測が強まると共に、米国経済指標では耐久財受注こそ冴えない結果となりましたが、米国GDPが上方修正、新築住宅販売件数などが市場予想を上回るなど米国経済の底堅さが確認され、ドルが強い動きとなりました。
ユーロECB関係者から、「追加緩和は時期尚早」とのコメントが相次いだことや、フォルクスワーゲンの不正問題などで欧州株式が軟調な推移となったことからのリスクオフの流れで買い戻される展開となりました。

ドル円は米国利上げ観測によるドル買いとフォルクスワーゲン不正問題、新興国売りのリスク回避による円買いに挟まれ、方向感を欠く動きが続いています。

米国9月雇用統計

今週末には米国の9月雇用統計の発表が予定されています。
米国の利上げを考える上でも「労働市場のさらなるいくらかの改善」は必須条件のため、非農業部門雇用者数変化、賃金の上昇率に注目が集まります。また、市場では、最近の流行りとして前回数値の上方修正への期待が高まっているため、前回数値が下方修正されるような結果となるとドル売りで反応となる可能性があります。

先行する新規失業保険申請件数は安定推移を続けているため、現状では大崩れは想定しにくい状態ですが、前回は製造業関連が足を引っ張っていたこともあり、ISM製造業景況指数の雇用指数や、前哨戦となるADP雇用統計により、市場の期待値が直前までに大きく変化するため、これらの結果と市場の反応を雇用統計前までにしっかりと確認しておきたいところです。

米国コアPCEデフレータ

本日、米国時間にFEDが注目する物価指標であるコアPCEデフレーターの発表が予定されています。雇用の改善と共に、「物価目標へ向けて上昇するであろう合理的な確信」が利上げ開始の条件となっているため、市場予想との乖離があると反応が大きくなることが予想されます。

FOMCメンバーのコメント

今週はフィッシャーFRB副議長、ダドリーNY連銀総裁などのFOMCメンバーのコメント機会が多く予定されています。先週のイエレン議長の講演で年内利上げ観測が強まりましたが、ハト派色の強いとされるダドリーNY連銀総裁などから年内利上げに積極的なコメントが出てくると利上げ観測がさらに強まる可能性が考えられます。

ユーロ圏消費者物価指数

先週のドラギ総裁をはじめとするECB関係者からは「追加緩和は時期尚早」である旨のコメントが多く出てきましたが、消費者物価指数が脅かされる状態になると「時期尚早」ではなくなる可能性があり、弱い結果となると追加緩和が強く意識され、上値を圧迫する材料になると考えられます。

独VW問題

先週はフォルクスワーゲンの不正問題が欧州株式市場にダメージを与え、リスクオフの動きを強めましたが、この問題が他の自動車メーカーや関連産業にまで波及し、欧州全体の景気を押し下げるような事態となってしまうと、相場全体のリスク地合いが後退しリスク回避色の強い相場になる可能性、また少し長い目で見ると、景気減速による物価下押しが意識されECBが追加緩和期待が膨らみ、ユーロ売りの材料となる可能性も考えられるため、最新の報道には注意が必要です。

今週のピックアップ通貨

今週のピックアップ通貨はポンドです。米国に次いで利上げ観測の強い英国の通貨であるポンドですが、ここにきて弱さが目立ち始めています。ポンドドルの日足チャートでは、6月序盤からのサポートとなっている1.5165付近を先週末、割り込む動きとなりました。金曜日は終盤にかけて持ち直す動きとなり、終値ベースでは1.518付近まで戻していますが、再度、下値を探り、終値ベースでしっかりと割り込むような動きとなった場合には、節目の1.5、さらには4月13日の安値である1.4566付近も視野に入れた下落圧力が強まる可能性もあるため注意が必要です。

ポンドドル

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト