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【今週のみどころ】雇用統計の余波、米国小売売上

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先週からの流れ

先週は米ドル独歩高の動きとなりました。
前週のFOMCにて米国の年内利上げの可能性が示されたことに続きイエレン議長の議会証言でも目新しい内容ではなかったものの、年内の利上げがあり得ることが示されドルがジワリと強くなる動きとなった後、週末に発表された米国10月雇用統計が市場予想を大きく上回る伸びとなったことでドル買いがさらに大きく進む状態となりました。

また、木曜日にBOEの金融政策の発表、議事録、インフレレポート、カーニー総裁の会見が重なる、通称「スーパーサーズデー」となった発表後、急落する動きとなりました。事前に複数のMPC委員から利上げに前向きなコメントが出ていたことや英国雇用統計での底堅い賃金の上昇などが、英国の早期利上げ観測を押し上げていたのに対し、今回の発表では、利上げ賛成票は増えず、また、ポンド高や新興国懸念を背景にインフレ見通しは引き下げとなったため、市場の失望が大きくなったと考えられます。

雇用統計後の余波

今週の序盤は雇用統計の余波がどの程度かを見極めることに注力したいところです。大きな流れではドル優勢が見込まれますが、ECBの追加緩和観測でユーロ売り、ドル買いが強まり、米国の利上げ観測が強まり、強い雇用統計とこのところドル買いが続いていたため、水曜日の米国祝日を前に利益確定売りが強まる可能性も十分に考えられます。「押し目待ちに押し目なし」となるのかどうかをしっかりと見極めたいところです。

リスクセンチメントの変化に警戒

雇用統計後は株式市場はなんとか踏ん張っていますが、ドル高、利上げ、期末に向けての利食いなどで上値が圧迫される可能性も考えられます。また、新興国通貨は雇用統計後に売り込まれる動きとなっており、資金流出懸念がリスク回避色を強める可能性も考えられます。そのため、株式市場や商品市場の動きなどもしっかりと確認したいところです。

米国小売売上他

今週の注目経済指標は米国の小売売上です。先行する自動車販売台数などは好調をキープしており、消費の強さを示す結果となっています。また、低水準で推移するガソリン価格や底堅い雇用情勢を考えると底堅い結果への期待が高まると考えられます。予想通り強い結果となればドル高地合いを支える材料となると考えられますが、弱い結果となってしまうとショックもそれなりに大きくなることが予想されます。

また、今週はFOMCメンバーのコメント機会も数件予定されています。
彼らが年内利上げに前向きな姿勢を見せることができるかどうかに注目が集まります。

今週のPickup通貨ペア

今週の注目はポンドドルの1.5攻防戦です。

ポンドドルは日足チャートで見ると緩やかな下降トレンドを続けています。10月は1.55を上抜けそうなところまで行きましたが、結局押し戻され、下降トレンド継続となっています。サポートは7月序盤と9月序盤の安値を結んだラインがサポートライン(緑線)となり安値を支えているような動きとなっています。そして現在ではBOEスーパーサーズデー、米国雇用統計と大きなイベントで400Pips近い下落となり、そのサポートラインに接近する動きとなっています。

また、その付近には1.5の大台も控えており、割り込むと心理的にダメージが大きそうな水準と考えられます。今週はこの節目の1.5そして、このサポートラインをしっかりと守れるかどうかに注目したいところです。イベントでの急激な下落であったこともあり、この水準で一度調整が入り跳ね返ることも想定されますが、割り込んでしまうようであれば緩やかな下降トレンドから、強い下降トレンドへと変化し下値を探る動きがさらに活発化する可能性が浮上します。

GBPUSD

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト