FXコラム

米中の住宅バブル比較 -その1-

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FXコラム|2014/05/26

バブルは過剰融資によるレバレッジで商品を買うことから起きる。そして、価格の上昇そのものが、バブル崩壊の原因となる。高値では買える人(それ以上借金できる人)が限られ、売りたい時には買い手がいなくなるからだ。

米サブプライム・ローンの実態は、人口の伸び、所得の伸び、住宅着工数、住宅販売数、住宅価格、持ち家比率などから見て、住宅市場が飽和状態に限りなく近付くなか、銀行が低所得者の名義を借り、銀行自身の資金で住宅を買い上げたものだ。もともと、低所得者がそんな高値の住宅を買えるはずがなかった。

参照:サブプライム・ショックの要点
http://ameblo.jp/dealersweb-inc/entry-10275436987.html

中国の住宅バブルはどうだろう? 底辺には、米国の約55%の経済規模でしかない中国が、米国とほぼ同じ金額の資金供給を続けていることがある。過剰融資は不可避とも言えるのだ。

また、中国の戸籍制度も大きな役割を担っているとの記事を見つけた。以下に抜粋して引用する。

「中国の戸籍は日本のように1種類ではない。農村戸籍(農業戸籍)と都市戸籍(非農業戸籍)に分けられており、農村戸籍が約6割、都市戸籍が約4割といわれている。東京大学准教授の阿古智子氏によると、大まかにいうと、農村戸籍を持つ人には農地が与えられるという点で都市戸籍を持つ人と区別できるという。農業が盛んな地域でも、農地を所有せず、役所や学校に勤める人は都市戸籍を持つ。

中国で戸籍制度ができたのは1958年。重工業を重視していた計画経済時代、都市住民に対する食糧供給を安定させ、社会保障を充実させるために導入されたものだという。改革開放期に入っても、農村から都市への移動は制限されてきて、日本人のように自分の意思で勝手に引っ越ししたりはできなかった(学校や就労先の入学・採用通知など、さまざまな書類が必要)。

北京の団体戸籍は都市戸籍のひとつの形で、主に3種類ある。

1、学校集体戸籍(地方から北京の大学に進学した際にもらえる戸籍)
2、北京駐在員事務所集体戸籍(仕事の都合で一時的に北京滞在する際にもらえる戸籍)
3、勤務先集体戸籍

1と2は「準・北京市民戸籍」として扱われ、北京滞在中は医療や社会保障は北京で受けられるものの、制限がついた一時的なもので、大学を卒業したり駐在が終われば、基本的に戸籍は原籍に戻される。一方、3は正真正銘の永久的な北京市戸籍だ。馬さん(本文参照)の戸籍は3に該当する。

ただし、北京の都市戸籍といっても、正確には3の「団体戸籍」と「個人戸籍」の2種類ある。馬さん本人だけなら3のままでも生活でき、個人戸籍と大きく変わりはないのだが、結婚して家庭を持つとなると、一部の団体戸籍のままでは支障が出てきてしまうという。

・北京市の永久的な戸籍を取らないと、子どもと泣き別れ?

それは、3(勤務先集体戸籍)であっても、結婚相手が地方の戸籍で、かつ自分の勤務先が政府系機関や国有企業など以外の場合、配偶者や子どもを自分の戸籍には入れられないケースがあるということだ。その場合、馬さんが心配していたように、もし子どもを夫の戸籍に入れたら、自分の手元で育てられなくなってしまう。これは一大事だ。

そこで、団体戸籍から転出し個人戸籍に移さなければならなくなってくるのだが、その手段のひとつは、政府の規定によると、自分名義の住所を持つこと、つまり不動産を持つことである。不動産を持ち、個人戸籍を作ることができれば、そこに子どもの戸籍も入れることができ、親子が離れ離れになることもなく、北京で教育を受けさせることができるという。」

参照:中国人が“人生を賭けて”マンションを買う理由
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140520/265001/?P=2&nextArw
                          (つづく)

みんなの株式に掲載されている矢口氏のコラムご覧ください
http://money.minkabu.jp/author/auth_yaguchi
最新記事:2014/5/26 「まどろみ」
http://money.minkabu.jp/45143

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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。