ドル買いの巻き戻し強まる

【著者】

昨日は前日まで続いたドル買いが巻き戻される動きとなりました。特にユーロの買い戻しが目立ち、ユーロは対ドル以外の対ポンド、対円でも買い戻される動きとなりました。夏季休暇に入る参加者も多く、流動性が若干低下している相場であったことも巻き戻しの動きを強める要因の一つだったかもしれません。

ドル円では以前に黒田総裁が実質実効レートがここからさらに円安にふれていくということはありえそうにない」とコメントしたゾーンでの失速となり、また、昨日は米国時間に黒田総裁から向こう数カ月でインフレ率が相当加速すると予想し、現時点での追加緩和の必要がない旨のコメントが出てきたことから、黒田総裁は124円台後半を超えるのを嫌がっているのか?と口先介入の一種か?ととらえられているかもしれません。

米国株式市場は冴えない決算発表が出てきたこともあり軟調な推移となり、また、米国債利回りも下落となりドルの上値を圧迫する動きとなっています。

米国株式市場

主要通貨ペアの推移

ドル円は124円台中盤で失速となり米国時間に大きく崩れる動きとなりました。日足チャートでは高値圏で前日の高値を超えて、前日の安値を割り込む水準でクローズとなっており、方向転換を示唆する足が出現しているため、今週は下落リスクに注意が必要です。昨日から123.75付近がサポートとなり下落を食い止めているため、割り込んだところにはストップ売りも溜まっていると考えられるため近づいた際には注意が必要です。逆にNY時間のレジスタンスとなった124.00を上抜けたところではストップ買いが溜まっている可能性があるため124円台を回復したところでは短期的に上昇が多少強まることが見込まれるため接近した際には注意が必要です。

usd jpy

ユーロドルはアジア時間に下値を探る動きとなり、5月27日のサポートとなった1.0819付近を一瞬割り込む場面もありましたが、押し切ることができず、欧州時間に入ると逆に反発となり、売りポジションのストップ買いが狙われる動きとなり、ショートスクイーズ状態で上値を切り上げる動きとなりました。本日も欧州時間以降は1.097や節目の1.1を抜けたところにはストップ買いが溜まっていることが想定されるため、近づいたときには警戒が必要です。

eur usd

ユーロ円は欧州時間以降に強まったユーロ買い戻しの流れにのし底堅い動きとなり、135円台中盤での推移となっています。依然として下降トレンドラインの下での推移となっているため方向感が出てきたとは言いえない状況で本日も昨日のレジスタンスとなった135.80付近、NY時間のサポートとなった135.40付近をどちらに抜けるかで方向感を探っていきたいところです。

usd jpy

ポンドドルは上値が重いなか方向感の薄い推移が続いています。以前節目となっていた1.555付近を挟んだ攻防が続きNY時間はその1.555がサポートとなり下げ渋る動きとなりました。本日はこの1.555を引き続き守れるかどうか、一昨日に割り込みレジスタンスとなっている節目の1.56を奪回できるかどうかで方向感を探っていきたいところです。ただし、BOEMPC議事録の公表前後は内容次第で上下に大きく振れる可能性があるため注意したいところです。

gbp usd

豪ドルは上値の重い推移となっていましたがNY時間に強まったドル売りの流れに乗り0.74台を回復する動きとなり0.745付近まで上昇する動きとなりました。本日は豪消費者物価指数、スティーブンス総裁の講演とイベントが続くことから内容次第で上下に大きく振れる動きとなることが予想され、方向感が掴みにくい1日となることが予想されます。

aud usd

本日の注目材料

本日はアジア時間にオーストラリアの消費者物価指数、スティーブンスRBA総裁の講演など豪ドルにインパクトの大きいイベントが続きます。消費者物価指数が弱い結果となると当然RBAの追加利下げが意識され、豪ドルの上値を圧迫すると考えられます。スティーブンス総裁の講演では以前スティーブンス総裁が示したAUDUSDの0.75を下回っている豪ドルの水準に関してのコメントが出てくると動きが出るかもしれません。ただし、市場もRBA関係者の豪ドル高牽制コメントに慣れてきてしまっているため、よほど強い口調でなければ相手にされない可能性も考えられます。

欧州時間はBOEのMPC議事録に注目が集まります。ギリシャ支援問題で揉めているピーク時の会合のものであるため、ギリシャ情勢を懸念して弱気な内容となっているとポンドの上値圧迫材料となる可能性もありますが、賃金の上昇や今後の強気な物価見通しなどが強調される内容であったり、利上げ賛成票が出ているようであれば利上げが意識されポンドの下支え材料となると考えられます。

中古住宅販売件数は先行する中古住宅販売保留件数が良好な結果となり、比較的強い結果が期待されているため、弱い結果となると失望が大きくなると考えられます。

また、明日早朝にはニュージーランド準備銀行の政策金利の発表が予定されています。市場では追加利下げが予想されており、NZドルは上値の重い推移が続くことが予想されます。

本日の予定

10:30 豪46月期消費者物価指数
12:05 スティーブンスRBA総裁講演
12:45 日20年国債入札(1兆2000億円)
15:45 仏7月企業景況感
17:30 イングランド銀行金融政策委員会(MPC)議事録公表(7月79日開催分)
20:00 米MBA住宅ローン申請指数
22:00 米5月住宅価格指数
23:00 米6月中古住宅販売件数
23:30 米週間原油在庫
翌6:00 RBNZ政策金利発表

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト