一旦休演の「イエレン劇場」! 「ギリシャ・上海劇場」は終わりなき長期公演に?

“空白の2ヵ月” 事態はさらに混迷を極めそう?

本日未明に行われたイエレンFRB議長の下院金融委員会における議会証言で、「年内利上げが適切」との発言を受け、早ければ9月にも利上げが開始されるとの観測の下、ドルは相対的に強気推移の展開に。

イエレン議長の発言骨子を抜粋してみると、「第1四半期の低迷は過去の話」「ドル高原油安の成長や物価への影響は時間とともに消滅」「中国ギリシャのリスクを認識しつつも世界の成長は予想より早く進捗する可能性」「「失業率は長期的均衡状態に接近」等、主に景気のアップサイドに視点を注いだような内容。

公の場で発言するたびに株価の上昇が見られたことから、「バブルの守護神」とも呼ばれるイエレン議長ですが、今回の議会証言を受けてNY株式市場は下への反応を示し、いよいよリフトオフ(=離陸。利上げのこと。) は時間の問題であるという事実がさらに明確化した形に。

上院での議会証言を残してはいるものの、発言内容のコペルニクス的転回は想像しにくく、概ね下院での発言が主体と捉えるべき。今月28・29日のFOMCでは記者会見は予定されておらず、また8月のジャクソンホール会合への欠席を表明しているイエレン議長。夏のバカンスを経た後に公の場で発言するのは、9月16・17日のFOMCを待たねばなりませんが、“空白の2ヵ月”となる期間は難問山積であることに変わりなく、さらに混迷を極める可能性を念頭に置くべき。

その混迷の震源地であり、本日財政改革法案を可決したギリシャですが、莫大な借金をして莫大な借金を返すという無限ループ的自転車操業の構図は全く変わらず、単なる結論の先延ばしに過ぎない債務問題はさらに先鋭化されてブーメランの如く返ってくることは自明の理。

また、先週のマーケットにいろんな意味で衝撃を与えた上海株式市場“爆売り”後の中国政府当局の“力技”措置ですが、その延長線上で注目された中国GDP(前年比 第2四半期)が昨日公表され、先の全人代で高らかに謳った“錦旗”である7.0%という見事な結果に。(事前予想は6.8%)

当局担当者曰く「(中国)GDPのデータは正確。意図的に引き上げられたことはない。」と、まさに言わずもがなのコメントをしたことでかえって当局発表数値と実体経済への疑念が拡大する結果になったことは言うまでもありません。(その証左こそが昨日や本日の上海株式市場の動き。「嘘も方便」というべきなのか、「天網恢恢」と言うべきなのか・・・。)
目的のためには手段を選ばない中国式マキャベリズムの徹底はある意味敬服しますが、ギリシャ債務問題とともに中国経済の不安定要素が巻き起こす嵐は常に警戒すべき。

当面は相対的安全通貨であるドルの持ち分を増やし、「まさかの坂」で退場処分とならない程度のキャッシュポジションを準備した上で、目先のドル/円押し目は積極的に買い拾うスタンスが奏功すると考えます。

ドル円

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津田 隆光|マネースクエア 市場調査部 チーフアナリスト

津田 隆光

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA)。 テクニカル分析をベースとしたレポートを執筆する他、ラジオNIKKEI「ザ・マネー ~西山孝四郎のFXマーケットスクウェア」ではコメンテーターを務める。