FXコラム

所得税と消費税 -1-

【著者】

現在の消費税率は8%だ。安倍首相が2017年4月に予定されていた10%への引き上げを、2019年10月へと、2年半延期すると決めたことで、「財政再建はどうするんだ?」、「社会保障の財源はどうするんだ?」との懸念が起きている。

安倍首相は財政再建を諦めたのだろうか? 増え続ける社会保障費の財源はどうなるのだろうか? そういった点を、財務省がホームページで提供しているデータをもとに、共に考えてみたい。

以下の資料は、2016年6月時点に財務省のホームページにあるもので、データとしては少し古く思えるが、私の「そもそも論」には十分に活用できる本質的な問題が示されているので、そのまま引用する。

消費税率3%が導入されたのは平成元年(1989年)4月だ。日本の税収はその翌年度に60.1兆円のピークをつけ、以降の税収は現在に至るも27年前に遠く及ばない。そして、平成9年(1997年)4月に消費税率が3%から5%に引き上げられ、その年度に税収の次のピーク53.9兆円をつけてから以降は、グラフにはないが今年度の約54.7兆円まで、18年間更新できないできた。

つまり、前2回の消費税率引き上げでは、直後に税収がピークをつけたが、今回の5%から8%への引き上げでは、何とか、前回のピークは超えることができた。とはいえ、税収はこの27年間で約2割減っている。一方で、歳出は基本的に増え続けてきたので、累積赤字が膨らむことになった。

拡大する赤字は、公債(国債)を発行することで、つまり、借金により穴埋めしている。

(次回:所得税と消費税 -2-に続く)
参照図:日本の財政と公債発行額
日本の財政

【みんかぶマガジン】矢口氏のコラム
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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。