FOMCでドル買い強まる

【著者】

昨日は米国時間にFOMCの結果発表が行われ、ドル買いが進む展開となりました。注目が集まった声明文では労働市場や住宅市場に関しての改善が示されたものの、利上げに関しては、さらにいくらか労働市場が改善することと、インフレが中期的に2%の目標に向けて回復すると合理的に確信できたときと前回の内容に近い表現にとどまり、9月利上げを明確に示唆するというよりは、一応は9月利上げの可能性は残すといった内容となりました。市場では声明の利上げ開始の要件についてかかれた「さらなる労働市場の改善」から「さらなるいくらかの(some)労働市場の改善」とsomeの文言が加わったことが話題となり、あと少しで利上げとの印象が強強まったようです。

【FOMC声明での利上げ開始の要件の変化】
7月(今回)
TheCommitteeanticipatesthatitwillbeappropriatetoraisethetargetrangeforthefederalfundsratewhenithasseensomefurtherimprovementinthelabormarketandisreasonablyconfidentthatinflationwillmovebacktoits2percentobjectiveoverthemediumterm.

6月(前回)
TheCommitteeanticipatesthatitwillbeappropriatetoraisethetargetrangeforthefederalfundsratewhenithasseenfurtherimprovementinthelabormarketandisreasonablyconfidentthatinflationwillmovebacktoits2percentobjectiveoverthemediumterm.

為替市場は労働市場への判断を引き上げたことなどを背景にドル高、米国債利回りは上昇。米国株式市場も堅調な推移となりました。市場の利上げ開始時期に関しての憶測は割れている状況と考えられ、9月利上げを予想する人もいれば10月以降の利上げを予想する人も多く、今後の米国経済指標への一喜一憂は続きそうな気配がしています。

中国株式市場は昨日は下げ渋り、一旦の落ち着きを見せたことから、市場ではリスクオフの巻き戻しの動きとなり、リスクオンのユーロ売り、円売りが強まる場面もありました。FOMC後の新興国通貨の動きを見ると概ね売りが強まっており、市場の利上げが意識され、新興国からの資金流出が進んでいることが伺えます。

米国株式市場

主要通貨ペアの推移

昨日のドル円は株式市場が持ち直してきたことやFOMCへの期待感からか欧州時間以降は堅調な推移となりました。FOMCの結果を受けて上下に振れる動きとなりましたが、終わってみればドル買い強まり、先ほど、124円台に乗せる動きとなりました。本日は124円台を回復したということもあり、底堅い推移となることが予想されますが、先週レジスタンスとなった124.20、124.50と難所が続きます。124.5をしっかりと上抜けることができれば126円台トライへの期待が膨らみます。

usd jpy

ユーロドルは上値が詰まり伸び悩む動きを続けたのち、FOMCの結果を受けて売りが強まり、1.09台中盤まで押し込まれる推移となっています。日足チャートでは7月10日の高値である1.1216を突破できずに下値を探る動きとなっており、力のない状態であることが確認されます。今後は5月からのサポートである1.08と7月27日のレジスタンスである1.113のどちらに抜けていくかで方向感を探っていきたいところです。1.08付近では2回サポートされているため、割り込んだところにはストップ売りが溜まっていることも予想され下落がさらに強まる可能性が高いと予想されます。

eur usd

ユーロ円はFOMC前まではレンジ内での推移となっていましたが、FOMC後に売りが強まり、136円台を一瞬割り込むところまで押し込まれる動きとなっています。方向感は依然として薄い状態ですが、本日は昨日サポートが135.98付近であったことから、135.9095を守れるかどうかに注目したいところです。最近のユーロ円は約50銭刻みで節目となることが多く、割り込むと135.50、135.00が次のサポート候補として意識されると考えられます。

eur jpy

ポンドドルは底堅い動きとなりました。7月の高値を上回り上昇が一瞬強まるもその後は失速、FOMCを受けて1.56を割り込むところまで押し戻される動きとなっています。昨日の欧州時間序盤にも同水準がサポートとなっていたため、本日はまずこの水準で踏みとどまれるかどうかに注目したいところです。この水準を割り込むと強まりかけていた上昇モードが挫かれ安値を探る動きが活発化する可能性が高まります。

gbp usd

豪ドルはレンジ推移を続けたのち、FOMC後に下値を探る動きが活発化し、0.73を割り込む動きとなり、現在も0.73を挟んだ攻防を続けています。今週に入り0.73を挟んだ攻防が続く方向感の薄い状態が続いており、今後もしばらく続きそうな動きとなっています。まずは先週末からのレンジである0.7260.735をどちらに抜けるかで方向感を探っていきたいところです。

aud usd

本日の注目材料

本日は欧州時間にスペインのGDP、ドイツの失業率、ユーロ圏の消費者物価指数と粒揃いの経済指標に加え、米国時間には米国の46月期のGDPの発表が予定されています。最大の注目は米国のGDPで前回からの反動が確認できるかどうかに集まります。また、市場では13月期の上方修正が行われるとの予想も出てきており、前回分の修正幅にも注目が集まります。アトランタ連銀の予想であるGDPNowは最新のもので2.4、市場の予想が2.5が中心となっており、それを上回ることができれば、昨日のFOMCと併せて市場の9月利上げ観測を押し上げ、協力なドル買い材料となると考えられます。

本日の予定

07:45 NZ6月住宅建設許可
08:50 日6月鉱工業生産(速報値)
08:50 日対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)
10:00 スティーブンスRBA総裁講演
10:30 豪46月期輸出・輸入物価指数
10:30 豪6月住宅建設許可
16:00 スペイン46月期GDP(速報値)
16:55 独7月失業率・失業者数
18:00 ユーロ圏7月経済信頼感・消費者信頼感(確報値)
21:00 独7月消費者物価指数(速報値)
21:30 米46月期GDP(速報値)
21:30 米新規失業保険申請件数
翌2:00 米7年債入札

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト