中国人民元レート引き下げに揺れる

昨日はアジア時間の中国の人民元レート引き下げがドル高をもたらした後、株式市場に打撃を与え、欧州時間から米国時間にかけてはリスクオフの動きも入り乱れるなど複雑な動きとなりました。そのような中で、昨日目立ったのはユーロの底堅さでした。ギリシャの3次支援に関して、ギリシャと債権団の交渉が合意に至ったという報道や、リスクオフのユーロ買いが重なり、対ドルのみならず対ポンド、対円、対オセアニア通貨と全面高状態となりました。

米国時間に発表された四半期労働生産性は若干市場予想を下回ったのに対し、卸売在庫は市場予想を大きく上回り、第2四半期のGDPの上方修正の可能性が高まる結果となりましたが、市場の話題は人民元ネタに集まっていたこともあり、相場の反応はイマイチなものにとどまっています。

他市場では、米国株式市場が大きく下落となったほか、米国債利回りも低下、商品市場でも原油をはじめとして弱い推移となっています。

米国株式市場

主要通貨ペアの推移

ドル円はとうとう125円台に乗せる動きとなりましたが、乗せた後は鈍い動きとなり125.20付近をレジスタンスに伸び悩む動きとなりました。予想していたストップ買いは少なく、ストップ買いを絡めて大幅上昇とはなりませんでした。とはいえ、しっかりとレジスタンスとなっていた125.00を上回りNYクローズを迎えたということは評価でき、本日はこの水準をキープできるかどうか、昨日のレジスタンスとなった125.20付近を突破できるかどうかに注目したいところです。

usd jpy

ユーロドルは欧州時間からNY時間に底堅い推移となりましたが、1.11に迫るところで失速する動きとなりました。底堅い動きとはなっているものの、少し上値の重さが出始めているところには注意したいです。7月に入り、1.11がレジスタンスとしてしっかりと上値をブロックしているため、この1.11を突破できるかどうかに注目が集まります。1.11を突破したところにはストップ買いも多少溜まっていることが想定されるため、接近した際には注意が必要です。

eur usd

ユーロ円は7月13日の高値である137.80付近を突破し138.40付近までの上昇となり、140円台へ向けた動きとなる可能性が高まりましたが、その後は伸び悩む動きが続いています。本日はしっかりとレジスタンスであった137.80の上での推移を続けることができるかどうかに注目したいところです。

eur jpy

ポンドドルは前日の元気が薄れ、上値の重い推移となりました。昨日は底は1.5555付近で数回サポートされているため、このラインを守れるかどうかに今日は注目したいところです。この水準を割り込んでしまうようであれば再度1.55割れを目指した下落圧力が強まる可能性があるため、注意が必要です。

gbp usd

豪ドルはアジア時間の人民元レート引き下げ発表後で大きく下落後上値の重い推移が続いています。ここ数日の上昇分を全て吐き出してしまうような動きとなり、下降トレンドラインも引き直しを余儀なくされています。直近では底堅い推移となっており、苦しい立場の買いポジション保有者も多く残っていると考えられるため、さらに下落となると、彼らの損切りが続出し、下落がさらに勢い付く可能性も考えられます。まずは7月末の安値である0.7234を守れるかどうかに注目したいところです。

aud usd

本日の注目材料

本日は欧州時間に英国の雇用統計の発表が予定されています。今月も賃金の上昇がしっかりと確認できるとスーパーサーズデー以降、後退していた英国の利上げ観測が再燃すると考えられる反面で、弱い結果となると失望を生み、先週末からの買い戻し分が吐き出される可能性も考えられます。いずれにせよ、発表前後は大きく振れる可能性があるため、ポンド絡みの通貨ペアの取引の際には注意が必要です。

また、昨日市場に衝撃を与えた人民元の動きにも注意が必要です。本日も引き下げとなり市場の注目を集めるようであれば、リスクオフの流れが強まる可能性があり、ユーロや円の買い戻しとドル高が入り混じり、読みにくい相場展開となることが予想されます。

本日の予定

08:50 日銀・金融政策決定会合議事要旨公表(7月1415日開催分)
13:30 日6月第3次産業活動指数
13:30 日6月鉱工業生産(確報値)
14:30 中国7月鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資
17:30 英7月雇用統計
18:00 ユーロ圏6月鉱工業生産
19:00 ロウRBA副総裁講演
20:00 米MBA住宅ローン申請指数
23:30 米週間原油在庫
翌2:00 米10年債入札
翌3:00 米7月財政収支

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト