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日米首脳会談、TPP交渉は協議継続 その2

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外国為替マーケット情報|2014/04/24

アベノミクスに陰り?

今日午前、国賓として来日中のオバマ米大統領と安倍首相の首脳会談が行われ、昼過ぎに共同記者会見が行われました。

首脳会談の一番の議題は、安全保障問題を含む日米同盟に関する物でしたが、TPPも主要議題の一つとされていました。

事前の報道では大筋合意は困難、とされていましたが、一部ではトップ会談で何等かのサプライズ合意があるのではないか、との期待もありました。しかし結果的には事前の報道通り何も進展はなく、閣僚級協議を継続、という結論になりました。その報道を受け、日経平均は下落し、円買いが強まりました。

TPPの合意が行われたとしても、10年以上にわたる長い期間の話ですから、短期的に企業収益や為替の需給に影響を与える話ではありません。
ではどうして市場は反応したのでしょうか。

アベノミクスの最も重要な「第3の矢」に関して、首相は「岩盤のように固まった規制を打ち破るには、強力なドリルと強い刃が必要だ。自分はその『ドリルの刃』になる」と述べています。規制は数々の既得権益と複雑に絡み合っているため、これまでの歴代内閣もそれを打ち破ることはできませんでしたが、安部首相なら、という期待があります。

TPPの個別の問題はさておき、この交渉を前進させることは、まさにこの「岩盤規制」を打ち破ることの象徴的な意味があるのです。

ところが、米大統領の国賓としての来日、というこれ以上ないほどの交渉進展の大きなきっかけがあったにも関わらず、残念ながら話は進みませんでした。

その結果、アベノミクスへの期待、ひいては安部首相の政策実行力に対する信任に、うっすらとではありますが陰りができてしまいました。

特に安倍首相に対して、これまでの首相とは違う、と大きな期待を抱いてきた海外勢の見方に変化ができてしまったとすれば、今後の株式相場や円相場に中長期的にも影響が及ぶ可能性があります。

少し考えすぎかもしれませんが、そんな事を感じた今日の会見でした。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト