雇用統計は9月利上げへ向けての試金石

【著者】

先日のロックハートアトランタ連銀総裁の「よほど悪い経済にならない限り9月利上げ」という発言を受けて、マーケットは9月利上げを織り込みに進んでいます。

しかし黒田ラインである125円に瞬間タッチしたものの、そこでは猛烈にドル売りが出た模様。

誰も高値追いをしようとせず、125.00円の上にあるであろうストップロスを目がけて買い上げることもありませんでした。つまり、ここから上を買うには9月までの時間的な問題と材料が不足しているということでしょう。

それを占うのが本日の雇用統計となります。

市場のコンセンサスは22.5万人とそれほどハードルが高くありません。
しかし、先月の発表時に賃金上昇率の悪化と労働参加率の大幅低下があり、今回はその反動なども考えられます。発表直後のファーストアクションの後に起こるそれらの結果を反映する動きが考えられますので、イエレンダッシュボードに大きなズレがないかしっかりと見ていきたいところです。

さて、上に書いた通りにマーケットは非常に慎重に相場を見ていることが分かります。
この場合のポジション状況は、これからドルを買いたい人が多いと思われます。つまり、下がったところは買い需要が多いため全戻しとなる可能性が十分考えられます。

一番困るのは猛烈に良い結果が出た場合です。ADPはあまり芳しく無い結果でしたので、市場参加者としては少し悪い結果が出たところを拾っておきたいところ。
そこに好結果が出てしまえば、まさに「押し目待ちに押し目なし」状態。強烈な上昇が始まり年初来高値を更新するでしょう。
非農業部門雇用者数だけでいうと、事前予想より5万人以上の増加となればこのケースとなりそうです。

株式市場への影響はどうか

これで良い結果が出た場合に気になるのは、株式市場への影響です。

IMFは2年前にテーパリングを示唆した際に起きた新興国の株価の下落(バーナンキショック)を懸念し、年内の利上げは行わないように訴えています。
今のところFEDは聞く耳を持っていないようで、FOMCメンバーのコメントを見ても年内利上げは変わらずというところ。
そこにアトランタ連銀総裁の発言が出てくるというような状況を見ると、米国は9月利上げを行おうとしているように思えて仕方ありません。

米国企業の決算を見てみると、春はドル高による影響が明らかに出ていたものの今回はそうではなく好調な結果となっています。徐々にドル高にも慣れてきている株式市場は、指標結果を素直に受け止めるのではないでしょうか。

仮に雇用統計が良く無い結果であったとしても押し目買いが入ると考えられることから、来週にはドル円・日経平均ともに年初来高値を更新する可能性は十分にあるのではないでしょうか。

儲ける為のFX比較
川島寛貴|みんなの外為スタッフ

川島寛貴|みんなの外為スタッフ

みんなの株式の立ち上げ当初からプロデューサーとしてアライアンス業務を推進。みんなの外為、みんなの米国株、みんなのコモディティなど兄弟サイトの立ち上げも担当。通称「為替王子」