米雇用市場の労働参加率

為替マーケット情報|記載日:2014/01/17

米雇用市場の労働参加率が下げ続けている。先日発表の12月の米雇用統計では労働参加率が前月比0.2%ポイント低下の62.8%と、約35年ぶりの低水準となった10月の水準に並んだ。一時的に職探しをあきらめる人が増え、求職者という分母が小さくなるために、分子である雇用者の伸びが悪くても失業率が低下すると言われてきた。

一方で、2000年から2013年の間に、米国労働市場の労働参加率は3.9ポイント下落したが、下落要因の65%は定年退職と、体が不自由になるなどで働くことが困難になったことが理由として挙げられている。35%が「あきらめ」だった。

働きたいと思っているのに、その時点で職探しをあきらめている人の数は、サブプライムショック後の2007年第4四半期から2011年第4四半期の間に目立って増えた。

しかし、定年退職による労働市場からの離脱は2010年以降に顕著に現れてきている。2012年第1四半期以降の労働参加率の低下は、定年退職の増加で説明ができるという。金融危機が過去のものとなり、資産価格の上昇が見られるようになってから、1946年以降生まれの米国のベビーブーマーが労働市場から完全撤退を始めたのだ。

未曾有の金融緩和により、2013年の米住宅価格の上昇率は約11.5%と、この8年間で最大幅となり、約半分の州の住宅価格は、2007年の最高値の10%以内のところにまで戻っている。株価は最高値を更新中だ。ベビーブーマーの最年長は今年68歳になる。
そうしてみると、さらなる労働参加率の低下が見られ、失業率の低下につながるかもしれない。

ちなみに、資産価格の上昇はいずれ止まるが、その時には米国債の利回りが資産運用に必要な水準にまで高まっている可能性がある。米金融緩和の終了、日米金利差の拡大は、ドル高円安要因だ。

矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。