予想・見通し

週末にかけてリスク回避強まる可能性

【著者】

外国為替マーケット情報|2014/05/09

昨日はECB理事会、ドラギ総裁の記者会見が行われユーロ中心の動きとなりました。結果は金融政策は変更なし、ドラギ総裁の会見は6月の会合での追加緩和を強く示唆し、ユーロ高に対する懸念が強く表れるものとなりました。
アジア時間終盤から、ECBの追加緩和なしを見込んだユーロ買いが強まり、ジリジリと値を上げたユーロは金融政策の発表で変更が無いことを確認すると更に上昇、ドラギ総裁の会見も序盤は聞きなれたフレーズが並び新鮮味のないものであったことからユーロ買いが更に強まり1.4に迫る動きとなりましたが、その後、ドラギ総裁から「次回の会合で行動を起こすことに違和感はない、ただ、6月初めに出るスタッフ予測を確認したい」とのコメントが出るとユーロ買いの流れは反転し、発表前から溜まった買いポジションが次々と投げ出され、金融政策発表前の水準まで大きく下落する展開となりました。

また、前日に好転の兆しを見せていたウクライナ情勢に関してはロシアが軍事演習でミサイル発射、ウクライナ東部のドネツクなどではプーチン大統領の提案を退け11日に住民投票の実施を決定するとの報道などからリスク回避色も強い動きとなっており、本日も先週のように週末リスクが意識され円やスイスフランが強まる可能性が高まっています。

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【主要通貨の動き】

昨日のドル円は102円台を奪還することができず、下値を探る動きとなりましたが前日の安値に近い101.40台では底堅さを見せています。本日は週末にウクライナ東部での住民投票が控えることから米国債利回りが低下、ドル円は下方向への圧力が加わる可能性も考えられます。
日足チャートでは保ち合いの下限を這うような動きとなっていることからしっかりとした方向感が出たとはまだ言えない状況となっています。本日も前日からのレンジである101.40-102.00のどちらに抜けるかを見守りたいところです。

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ユーロドルはドラギ総裁に引っ掻き回されるような動きとなり終わってみれば大幅下落となりました。これほど大きな下落となった背景にはECBが動かないことを見越した買い溜まっている状況に加え、更にアジア時間終盤からドラギ総裁の記者会見までに短期の買いが溜まっていたことが考えられ、追加緩和を示唆した瞬間に利食い、逃げ遅れそうになった参加者が慌てて買いポジションを投げ売り、逃げ遅れた人のストップ売りと次々に売りが入る状況になったと考えられます。このパターンは先週の雇用統計後のドル円でも見られていましたので短期売買中心の方はドル円の雇用統計後の短い時間軸のチャートも参考にしていただければと思います。
日足チャートでは前日の高値更新後、高値圏で前日の安値よりも低い価格で引けていることから「キーリバーサル」と呼ばれる形となり、売りサインが出ています。前日が大きな下落となっていることから多少の反発も見込めると思われますが、流れが下向きに変わっている可能性が高いことには注意が必要です。

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動きの無かったユーロ円は下方向へ動き出しました。サポートと考えられるのは2度下値を支えている140.00近辺がまず意識されると思われ、割り込むと高値を切り下げたトリプルトップのような型となることから138.80、更には136.30近辺も視野に入れた下落圧力が加わることが想定されます。
本日は週末のウクライナ情勢を警戒してのリスク回避地合いが強まる可能性、ユーロドルが日足チャートでキーリバーサルが出現し下方向への圧力が更に増す可能性も考えると下方向には警戒が必要です。

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ポンドドルは昨日もジリジリと下値を探る動きとなりましたが、1.69台はキープとなりました。本日は英国時間に鉱工業生産、貿易収支の発表が予定され、良好な結果となると1.7を再度試す動きとなるかもしれませんが、週末ということもありポジション調整も入りやすく上値を重くするかもしれません。1.7を上抜けた場合でもある程度ストップ買いをヒットした後、一旦の利益確定も入りやすいと考えられることにも警戒が必要です。

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昨日は豪雇用統計、中国の貿易収支で上値を伸ばした豪ドルですが、先ほど発表されたRBAの金融政策報告において緩和的政策がしばらく適切との判断を受けて0.94を上抜けることはできず失速となりました。本日も方向感は薄い状態が続き、引き続き0.94を上抜けるかどうか、0.93台を守れるかどうかに注目が集まります。

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【本日の予定】

本日は英国の鉱工業生産、貿易収支の発表が予定されています。良好な結果となるとポンドドル1.7トライの可能性も考えられますが、週末ということもあり、ポジション調整にも気を付けたいところです。
また、不穏な空気が続くウクライナ情勢はネガティブな方向への報道のみならずポジティブな方向への報道にも注意したいところです。週末の住民投票に絡んだ動きにも警戒が必要で週を跨いでポジションを保有する場合はポジション量の調整、整理等のリスク管理をしっかりと行うことをお勧めします。

【本日の注目材料】

10:30 中国4月消費者物価指数・生産者物価指数
10:30 豪準備銀行(RBA)四半期金融政策報告
17:30 英3月貿易収支
17:30 英3月鉱工業生産・製造業生産
21:30 加4月就業者数・失業率
21:40 リーカネン・フィンランド中銀総裁講演
23:00 英国立経済研究所(NIESR)GDP
23:00 米3月卸売在庫
翌1:00 フィッシャー米ダラス連銀総裁(投票権あり)講演

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト