FXコラム

Q&A:外為取引で、ロンドン市場のシェアが大きいのは?

【著者】

Q:外為取引ではロンドン市場と米国市場のシェアが圧倒的ですが、その理由を教えてください。 金本位制が崩れたからこそ、FX市場が発展したと考えてよろしいのでしょうか。

A:歴史的に長く英国が金融市場の中心で、金本位制で世界の通貨の安定に寄与してきました。第一次大戦後は、米国がその役割を引き継いだ形となっています。その米国もニクソンショックで、金本位制を放棄し、通貨取引は完全変動相場制へ移行しました。

その後は、日本市場でも、実需原則の撤廃、外為銀行間直接取引の解禁、インターナショナル・ブローキングの解禁と、外為市場発展のために規制緩和を行ってきました。FX市場による外為市場の個人投資家への開放も、その流れの一環です。

現在、米国は世界一の債券市場、株式市場、商品市場、先物オプション市場を有し、貿易の取扱高も世界一です。英国は商品市場のメタル関係、原油取引では米国を凌ぎ、外為取引でも世界一です。英国は自国の金融市場の発展のために、世界に先駆けて規制緩和を行ってきました。この両市場のシェアの大きさは、市場を有力な産業と位置付ける両国政府の努力の賜物ともいえます。

また、外為取引のように、本質的にインターナショナルなものは、自国の経済背景よりも、地の利が大きくものを言います。

世界の外為市場で最も先に開くのはニュージーランドのウェリントン市場ですが、その時の取引相手となる他市場は米西海岸市場だけで、それもすぐに帰ってしまいます。その後は、シドニー、東京、香港、シンガポールと開き、アジアの時間帯となります。

やがて、ドバイ、バーレーン、ヨハネスブルグ、チューリッヒ、コペンハーゲン、フランクフルト、パリと開き、ロンドンが開きます。そして、ロンドンが開いた時点では、まだ、シドニー、東京が残っています。

ロンドンの午前中は米国を除く世界中と取引が可能で、午後は先の市場が閉じていく中で、米国市場が起きてくるのです。

英国が鎖国政策のような規制強化を行わない限り、外為取引でのロンドン市場のシェアは、大きなままでいる可能性が高いのです。

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