米GDP結果は“長期停滞論”の証左?

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昨日発表された1-3月米GDP速報値が、事前予想を下回る結果であったことでドルインデックスが約9週間ぶりの安値まで下落したものの、その後(日本時間本日未明)のFOMC声明文において、冬季の景気減速は(天候等の)一時的な要因を反映していること、また第1四半期の減速を経て成長と雇用は緩やかな増加へ向かうとのコメントもあり、やや持ち直す“往って来い”の展開に。

後者のFOMC声明文を見る限り、「6月利上げ説」が遠のいただけでなく、概ね「9月」ないしは「12月」まで後ズレ(=ビハインド・ザ・カーブ)公算が大との見方に。
FRBは「(利上げは)データ次第」との姿勢を崩していませんが、前者のGDP速報値の結果だけを見てみると、その利上げ自体に疑問符が付く、まさにローレンス・サマーズ氏の“長期停滞論”の揺るぎない証左のような気もしますが、どうなのでしょうか。

また、世界最大のヘッジ・ファンド、Bridgewater AssociatesのCEOであるレイ・ダリオ氏曰く、「FRBが利上げを急げば市場が1937年と同じ道を辿る」との警告も各方面で取り沙汰されており、おそらくイエレンFRB議長をはじめとする当局者も確認しているはず。

ちなみに、1937年と言うと、当時金融緩和政策によって米国経済が1929年の世界大恐慌からの回復基調の波に乗る中でFRBが利上げに動いた年
その結果どうなったかと言うと、国債は売られ(金利の上昇)、株価は同年3月の高値から翌年3月の一年間で50%以上急落し、これを見て焦ったFRBは再度金融緩和に動いたものの、その後もNYダウ平均は下落し続け、1937年の高値を回復したのは1945年12月8日まで足掛け8年の歳月を待たねばならなかったという過去の忌まわしい事例が。

当時は第二次世界大戦前後という特殊な環境であったことも考慮に入れる必要がありますが、かのリーマン・ショックをファンダメンタルズ分析のみで予測し、それを回避しただけでなくプラスのリターンを生み出した張本人だけに、大いに説得力があることは認めざるを得ません。

[ご参考]『30分で判る経済の仕組み(日本語)』(レイ・ダリオ)
https://www.youtube.com/watch?v=NRUiD94aBwI

当面のドル/円相場は、一方の円(=日銀サイド)にバズーカ級のサプライズがない限りは上値・下値ともにある程度限定された動きになることが予想されるため(当コラム執筆時は、30日日銀金融政策決定会合結果前)、今後数週間のスパンでは、週足・ボリンジャーバンド・±2σラインである117.20~121.20円レベルでの推移となりそうです。

ドル円ボリンジャ―バンド

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津田 隆光|マネースクウェア・ジャパン

投資こそ、おもしろおかしくシンプルに 津田 隆光

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA)。 テクニカル分析をベースとしたレポートを執筆する他、ラジオNIKKEI「ザ・マネー ~西山孝四郎のFXマーケットスクウェア」では隔週金曜日にコメンテーターを務める。