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人の行く裏に道あり花の山

【著者】

日本時間明日16日午前3時にFOMC声明文、3時30分よりイエレン議長による記者会見、そして同日昼過ぎ(何某かのサプライズが無ければ)日銀政策決定会合の発表が予定されています。前回の当欄でもお伝えをしていますが、個人的にどちらも現状維持と考えています(依然として黒田追加緩和を予想する声も聞かれていますが・・・)。

市場ではイエレン議長の会見あるいはドットチャートでの年内利上げ回数が注目されているとの論調が目につきますが、イエレン議長の会見はいつも通りの中立的な内容、そして、ドットチャート自体これまでその通りになったためしがなく(ドットチャートとはFRBメンバーの「こうあるべき」との理想を示したもの)、それ程大きく動く要素にはならないと思っています。

現在の市場は英国のEU離脱を問う国民投票の行方に目が向けられています。ここに来て各種世論調査は「離脱派」が優勢(昨日もTNS調査で離脱派:47%、残留派:40%の結果が報じられていました)、離脱懸念を背景に市場のリスク縮小の動きが強まる中、リスク資産から安全資産へのシフトが顕著になっています。為替市場では英ポンド、ユーロを始めとするクロス円の下落とドル買いの狭間でドル/円は106円を挟んでの揉み合いが続いています。

一つの投資の考え方としてその英国の国民投票の結果を見てから流れに乗るというやり方がある一方、現在、ドル/円を始めとする数多くの通貨ペアで売りトレンドが発生しており、イベント終了を待たずしてトレンドについていくという考え方もあります。株式市場もしかり、日経平均・FTSE・DAXでも売りトレンドが発生しています。そして、売りトレンドの方が買いトレンドより勢いがつきやすいというのは皆さんご存知のことと思います。

<資料1>ユーロ/円(日足)の推移
ユーロ円

<資料2>日経平均の推移
日経平均
出所:Bloomberg

今一度、トレンドの判別法について触れておきます。
<資料1>をご覧ください。上段が21日ボリンジャーバンド、下段に表示されているのが26日標準偏差ボラティリティです。下段の標準偏差ボラティリティが低い位置から上昇している場合、トレンドが発生。そこで次に上段のボリンジャーバンドを確認していただき、現値がボリンジャーバンドの-1シグマの外で推移していれば、「売りトレンド」、+1シグマの外で推移していれば、「買いトレンド」と言うことになります。
<資料1>のユーロ/円(EUR/JPY)は売りトレンドが発生しているということになります。

心理が相場の邪魔をする

一般的にあまり見慣れていない水準まで相場が下げ、そこから売りを仕掛けるというのは心理的抵抗があって出来ないものです。至極当然の行動のように思えます。ただストップ注文を入れておけばどうでしょうか?仮にストップが付いたとしてもその損失は限定的です。一方、トレール注文を入れておけばトレンドに乗ることで利を伸ばすことも可能です。私が言いたいのは、ストップを入れないから相場が逆に動いた時に思わぬ損失が拡大、それを恐れて、トレンドに乗ることが出来ないということだと思います。

冒頭で触れた日銀の政策会合、見方が分かれているとお伝えしました。仮に私が予想した通り、現状維持の結果に終われば、「失望の円買い」に繋がる可能性があります。そして、マザーマーケットで高値・安値は付けやすいと言われておりますので、日銀の結果次第でドル/円の安値105.55円を下抜けする可能性もあるのでは?と考えます。

もちろん、個々人のポジション状況、資金状況が異なることは重々承知しています。また、ご自身で決められたルールもおありかと思いますので、そのルールを曲げてまで私の提案に乗ってみては?と言うつもりもありません。「こういった考え方もあるんだ」と受け止めていただければと思います。最後に有名な格言をご紹介します。

「人の行く裏に道あり花の山」

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比嘉 洋|マネースクウェアジャパン シニアコンサルタント

比嘉 洋

米金利の裁定取引に長く従事。 相場の読みには定評があり、人気ストラテジストとして活躍中!