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火のないところに煙は立たぬ

【著者】

日10年債利回り急上昇

先月末の日銀金融政策決定会合、そして、昨日の政府による経済対策の発表というイベントを終え、市場は俄かに慌ただしくなっています。
個人的には日銀政策会合後の黒田総裁記者会見から「行き詰まりの印象」を受けていました。

ただ、市場は次回会合への期待(政府の経済対策に合わせる形で大胆な策を打ち出してくるのでは?というもの)をにじませ、落ち着きを取り戻していたかのように思っていたところ、黒田総裁自身否定していましたが、「日銀が国債購入を中止するのでは?」との憶測が・・・。
日10年債利回りは急上昇(本日については落ち着いています)、結果として、円買いの流れが強まることとなりました。

脳裏に浮かんだ「火のないところに煙は立たない」のフレーズ。
ここから先、注意深く見守る必要がありそうです。

<資料>日10年債利回り推移(2016/1~8/2)
日10年国債利回り推移.jpg出所:Bloomberg

現在の市場は円買いとドル売りが共存

昨日の動きはその円買いの動きとドル売りが共存するものでした。ドル売りについてはNY時間に発表された物価統計の結果が冴えないものであったことからFRBの利上げ観測が後退したことによるもの。地区連銀総裁の講演で「9月の利上げを排除していない」との内容も伝わっていますが、ここ最近の米経済指標を見るにつけ、空しく感じてしまうのは私だけでしょうか。

本日以降、横綱級の経済指標が目白押し。ドル売りと円買いのベクトルが一致した場合のドル/円相場の下落には十分注意が必要な局面と言えそうです。テクニカル的にも日足標準偏差ボラティリティ(26日)でドル売りトレンドの兆しが見えています。

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比嘉 洋|マネースクウェアジャパン シニアコンサルタント

比嘉 洋

米金利の裁定取引に長く従事。 相場の読みには定評があり、人気ストラテジストとして活躍中!