しばらくは、欧州ネタに振り回される展開か?!

注目されていた日米のイベントが終了。
その後は、その時々の材料に一喜一憂の展開が続いています。

ところで、このところの市場の動きを見ていると、株高にも関わらず、ドル/円(USD/JPY)相場はその動きに反応していないとお感じになっている方も多いのではないでしょうか。

一般的に為替は金利に左右されると言われています。先の日銀金融政策決定会合で「長期金利が0%程度で推移するよう買入を行う措置を導入する」と発表されました。仮に今回の決定を受け、日本の長期金利(10年債)が0%で固定されれば、ドル/円の値動きは米長期金利の動向をウォッチしていればいいということになります。
つまり、昨日のNY市場でも株式市場は大幅上昇となっていましたが、10年債利回りは低下していた、それゆえ、ドル/円も100円台前半からミドルでの値動きになっていたという訳です。
本日も、日経平均は大幅安となっていますが、米金利はやや上昇しており、ドル/円も小幅ながら円安に向かっています。

いかがでしょうか、納得いただけましたか?

市場の焦点は欧州へ

日米のイベントを通過し、このところ金融市場を騒がせているのはドイツ銀行の問題。今年に入り、ドイツ銀行問題は折に触れ浮上しています。
年始のデリバティブ問題に始まり、COCO債問題(株式と債券の中間に位置するハイブリット証券。詳しい内容については割愛します)、6月にはソロス氏による空売り、そして、先週金曜日に発覚した住宅ローン担保証券の不適切販売に対する米政府からの賠償請求。ドイツ銀行の財務健全性を巡る不安が他の金融機関にも飛び火してきています。

これまで欧州不安が高まるたびにその尻拭いを任されてきたドイツ国民はECBの金融政策に怒り心頭、ECBに対する風当たりも強くなっています。

一方で、今月のECB理事会では、次回会合で何らかの追加緩和が示唆されており、そんな中、ドラギECB総裁は4年ぶりにドイツ連邦議会での演説が予定(本日28日22時30分より)されていました。今回の演説でドラギ総裁がどの程度ドイツ議会の理解を得られるのかが注目されていたわけですが、ドイツ銀の問題を再浮上させることで、ドイツ議会からの批判もかわせるのでは?(欧米はロジックで物事を考える人種であると言われています。あえてこのタイミングでドイツ銀問題を浮上させることで、ドイツ議会もECBの金融政策に理解を示すことになるというシナリオが描かれていた?!)と思われ、ドイツ銀報道のタイミングがあまりにも良すぎるように感じてなりません。

為替の歴史は政治の歴史と申します。何らかの力が裏で働いているのかもしれません。ドイツ銀行の株価は最安値を更新し続け、一ケタ目前に迫っており、しばらくはこちらの動向から目が離せそうにありません。

<資料>ドイツ銀行の株価推移(2016年1月2日~9/27)
doiche-stock出所:Bloomberg 単位:€

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比嘉 洋|マネースクエア シニアコンサルタント

比嘉 洋

米金利の裁定取引に長く従事。 相場の読みには定評があり、人気ストラテジストとして活躍中!