マーケット

大統領選後にエンベロープの活用

【著者】

毎月第1週は横綱級の指標が目白押しであることはご承知の通り。
ただ、今回に限っては刺身のツマ的扱いで、市場の注目は米大統領選に向けられることになりそうです。

FOMCでの利上げを匂わす文言も気になるところですが、仮に大統領選でトランプ氏が当選すれば現在のメンバー変更の可能性が高まりますし、雇用統計については次回FOMC(12月14日)前にもう一回発表が予定されていますので、例月に比べると注目度は低下するのではないかと考えています。

判断が難しい世論調査

米大統領討論会が終了した段階ではクリントン候補の優勢が伝えられていましたが、先月28日のFBIによるメール再調査が報じられると、大統領選の行方が混とんとしてきています。昨日の一部世論調査ではメール問題を受けてトランプ氏の支持率が逆転との結果も飛び出すほど。
そもそもFBIのメール再調査にしてもFBIの内部対立も噂されており、大統領選の泥仕合が場外乱闘も巻き込んで、より一層、その行方を読みにくいものにしています。

今年の6月の英国国民投票で世論調査の信頼性が揺らいでしまったことも影響していると思います。人によっては、「国民投票と選挙は違う」との声も聞かれますが、そもそも今回の米大統領選ほど、消去法的なものはなく、「選挙はミズモノ」と言われますが、結果を見るまで分からないと言わざるを得ません。
また、接戦での決着となった場合、その後には訴訟合戦が待ち構えていることも相場の見通しを難しくしています。

個人的には、リスクを意識し、株式・為替が下落した場合に、押し目を拾う態勢を整えておくことが大事ではないかと思っています(すんなり、クリントン候補の勝利となれば、素直にその動きについていけばいいのですから)。と言うのも、日銀は株価が下がればETF買いを持ち込んでくると考えており、当然、今回の大統領選にも万全の備えで対応してくると考えています。下げが落ち着いたところで参入するという方法です。

とは言え、マーケットに張り付いていられないという方がほとんどでしょうから、その際は、エンベロープを利用してみてはいかがでしょうか。
日経平均であれば、25日移動平均線-5%、-10%、NYダウであれば18日移動平均線-3%、-6%が一つの目安として考えられます。実際、Brexitの際でもこちらは機能していたことがチャートからもお分かりいただけるかと思います。

ただし、「相場に絶対はありません」ということを最後に申し伝えておきます。

<資料1>日経225株価指数証拠金取引25日移動平均線±5%(赤)・±10%(青)の推移
nikkei225

<資料2>NYダウ株価指数証拠金取引18日移動平均線±3%(赤)・±6%(青)の推移
nydow

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比嘉 洋|マネースクウェアジャパン シニアコンサルタント

比嘉 洋

米金利の裁定取引に長く従事。 相場の読みには定評があり、人気ストラテジストとして活躍中!