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“トランプ相場”から“トランポリン相場”へ

【著者】

ドル高牽制=トランプ政権の基本姿勢?

先週16日のWSJとのインタビューにおいて、トランプ大統領は「我々のドルは強過ぎる」と述べ、「ドルが強過ぎるため、(米国の)国内企業は中国企業と競争できない。ドルが強過ぎることが国内産業の死活問題となっている」とのドル高牽制発言を11月の当選以来初めて行ったこと、さらにはトランプ政権の重要閣僚であるムニューチン次期財務長官(1月27日時点では議会未承認)が、「過度に強いドルは米国経済に短期的にマイナスの影響を与える可能性がある」との、同じくドル高牽制発言を行ったことは、今後の米ドルの方向性を勘案する上で、極めて重要な要素となりそうです。

特に、ラストベルト(錆びついた工業地帯)の白人中間層からの圧倒的支持を得ているトランプ大統領、および共和党政権にとって、一方的なドル高は死活問題となり得るため、今後も同様の“ドル高牽制発言”が繰り返されるであろうと見るのが一般的と言えそうです。

直近では、「デトロイト3社」と呼ばれる、自動車大手のGM・フォード・FCAの最高経営責任者(CEO)がトランプ大統領と会談し、「貿易を妨げる根源は為替操作だ」との発言を行い、トランプ大統領にドル高是正を求めたとのニュースも。

トランプ大統領の基本的な交渉姿勢はディール(取引)とされており、先方が求めるものを受け入れる代わりに、こちら(トランプ大統領)側が求めるものを受け入れてもらうという、まさにビジネスで培った“Win-Win”のスタイルとも。

つまり、トランプ大統領は、米自動車大手には国外ではなく、国内に工場を作ってもらうという条件を飲んでもらう対価として、交易条件の悪化をもたらすドル高放置は行わないという“ディール(取引)”を行った可能性も想定できます。

その一方で、1990年代からの米国の“概念上”かつ“形而上”の「強いドル」政策を、トランプ大統領自ら積極的に覆すことも考えにくいため、当面は「トランプ相場」ならぬトランポリン相場と表現してもいいような、ボラタイル(=値動きの激しい)な相場状況になると想定した方がいいのかもしれません。

その意味でも、投資家にとっては今後の取引において、事前に想定する以上のレンジ幅を考慮に入れつつ、リスク管理を一丁目一番地とするディール(取引)を行うべきなのではないでしょうか。

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津田 隆光|マネースクウェア・ジャパン

津田 隆光

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA)。 テクニカル分析をベースとしたレポートを執筆する他、ラジオNIKKEI「ザ・マネー ~西山孝四郎のFXマーケットスクウェア」では隔週金曜日にコメンテーターを務める。