米中貿易戦争から米欧貿易戦争へ

●IМFの見通しで一番の落ち込みは・・・
昨日IМFの世界経済見通しが発表され、前回値(1月)の3.5%から3.3%へ引き下げられました。国別に見ても米国が2.5%→2.3%へ、日本も1.1%→1.0%へ引き下げられた中、落ち込みが厳しかったのは、ユーロ圏。1.6%→1.3%へ0.3ポイント引き下げるとともに、欧州の複数の主要国で成長鈍化が示されました。ユーロ圏はただでさえ、ブレグジット問題で振り回され、さらにここに来て米国から110億ドルの欧州製品に関税導入を表明、それに対しEU側も報復へと伝えられており、米欧貿易戦争による経済の落ち込みが懸念されます。

●「売り」から入ってもスワップは受け取り!
ただこのところの為替市場はボラティリティが低下していることもあり、ユーロドルも概ね1.12~1.14のレンジ相場が続いています。下記チャートをご覧ください。こちらはユーロドルのローソク足に200日指数平滑移動平均線を重ねたものです。指数平滑移動平均線とは簡単に申し上げると、直近の値動きに比重を置いて算出されたものであり、単純移動平均線の形状とは異なります。

下記チャートより、最近のユーロドルはこの200日指数平滑移動平均線で頭が抑えられていることが確認できます。つまり、この水準に接近してからの戻り売り戦略が適している通貨ペアということが言えるわけです。個人投資家の皆さんの中には、「売り」=スワップの支払いという考えが染み付いているかもしれませんが、ユーロ圏の金利は米国の金利よりもかなり低いことから、売り=スワップの受け取りとなります。今晩はECB政策決定会合も控えており、政策金利の変更は無いと思いますが、その後のドラギ総裁の会見でハト派色の強いものとなれば、ユーロ売り要因。直近安値の1.1180ドルを割り込むと売りが加速することも想定されます。一度、こちらのトレードも検討いただければと思います。

<資料>ユーロドル(日足)と200日指数平滑移動平均線

出所:Bloomberg 2018/1/22019/4/10(執筆時間まで)

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比嘉 洋|マネースクエア シニアコンサルタント

比嘉 洋

米金利の裁定取引に長く従事。 相場の読みには定評があり、人気ストラテジストとして活躍中!