[資源・新興国通貨10/8-12の展望] 米長期金利の動向に要注意。トルコリラは12日の審理が相場材料になる可能性も!?

【著者】

本稿では、個人投資家の関心が高い、資源・新興国通貨の来週を展望します。

豪ドル

豪ドルは今週(10月1日の週)、対米ドルで約2年8カ月ぶりの安値を記録しました。米国の長期金利(10年債利回り)の上昇を背景に米ドルが全般的に上昇したほか、豪州の8月住宅建設許可件数が前月比マイナス9.4%と市場の予想(1.0%増)に反して減少し、そのことも豪ドル/米ドルの重石となりました。

来週(10月8日の週)は豪州の9月NAB企業景況感(9日)ウエストパック消費者信頼感指数(10日)が発表されるものの、相場材料としては力不足の感があります。豪ドルは、米長期金利や主要国株価の動向の影響を受けやすい地合いになりそうです。米長期金利が一段と上昇する、あるいは主要国株価が下落した場合、豪ドルにはさらに下落圧力が加わる可能性があり、豪ドル/米ドルは2016年2月安値の0.6974米ドルに向けて下がるかもしれません。

NZドル

NZドルは今週(10月1日の週)、対米ドルで約2年8カ月ぶりの安値を記録しました。米国の長期金利(10年債利回り)の上昇を背景に米ドルが全般的に上昇した結果、NZドル/米ドルに対して下落圧力が加わりました。

来週(10月8日の週)はNZの主要経済指標の発表がなく、NZドルは豪ドルと同様、米長期金利や主要国株価の動向の影響を受けやすい地合いになりそうです。米長期金利が一段と上昇する、あるいは主要国株価が下落した場合、NZドルにはさらに下落圧力が加わる可能性があり、NZドル/米ドルは2016年1月安値の0.6346米ドルに向けて下がるかもしれません。

カナダドル

米国とカナダは9月30日、NAFTA(北米自由貿易協定)見直し交渉で合意。それを好感してカナダドルが上昇し、カナダドル/円は10月3日に約8カ月ぶりの高値を記録しました。

NAFTA見直し交渉の先行き不透明感がカナダドルの重石となっていました。そのため、見直し交渉をめぐる不透明感が払しょくされたことは、カナダドルにとってプラス材料と考えられます。また、BOC(カナダ中銀)が10月24日の会合で追加利上げを行うとの観測があり、そのこともカナダドルを下支えするとみられます。

一方で、原油価格の代表的な指標である米WTI先物は4日に大幅安となりました。原油安はカナダドルにとってマイナス材料であり、原油価格の下落が続く場合、カナダドルに対して下押し圧力が加わる可能性があります。また、対円は主要国株価の動向にも注意が必要かもしれません。株安でリスク回避の動きが強まる場合、カナダドル/円はいったん下押す可能性があります。

トルコリラ

トルコの9月CPI(10月3日発表)は前年比+24.52%と、8月の+17.90%から上昇率が加速。約15年ぶりの高水準を記録しました。

TCMB(トルコ中銀)は9月13日の前回会合で政策金利を17.75%から24.00%に引き上げたものの、CPI上昇率は利上げ後の政策金利の水準を上回りました。そのため、市場では追加利上げが必要との指摘があります。10月25日会合に向けて、市場はTCMBに対して利上げを催促する動きになる(トルコリラ売り圧力を強める)可能性もあります。

来週(10月8日の週)のトルコリラは、ブランソン牧師の審理(12日の予定)をめぐる報道に反応する可能性があります。米国人のブランソン牧師はトルコ国内の自宅に現在軟禁されており、そのことが米国とトルコの関係悪化の一因となっているためです。裁判所が12日の審理でブランソン牧師を解放するとの判断を下せば、トルコと米国の関係が改善に向かう可能性があります。そのことは、トルコリラにとってプラス材料と考えられます。

南アフリカランド

南アフリカランドは今週(10月1日の週)、対米ドルや対円で約2週間ぶりの安値を記録しました。米国の長期金利(10年債利回り)の上昇を背景に、新興国通貨全般に下落圧力が加わりました。南アフリカのラマポーザ大統領が10月4日に、雇用創出(年間27.5万人規模)を実現するための改革案を発表したものの、市場でほとんど材料視されませんでした。

来週(10月8日の週)の南アフリカランドは、米長期金利の変動に影響を受けやすい地合いになりそうです。長期金利が一段と上昇すれば、ランドに下落圧力が加わり、ランド/円は9月5日安値の7.08円に向けて下がる可能性があります。

格付け会社のムーディーズが10月12日に南アフリカの格付けを発表する予定です。現在の格付けは投資適格級最低の“Baa3”、格付け見通しは“安定的”です。今回、それらが変更される可能性は低いとみられるものの、もし変更された場合、南アフリカランドが反応しそうです。なお、S&Pとフィッチはいずれも投機的等級(ジャンク)の格付けを付与しています。

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八代 和也 マネースクエア 市場調査部 シニアアナリスト

八代和也

マネースクエア 市場調査部 シニアアナリスト 豪ドル、NZドル、トルコリラ、南アランド、カナダドル担当 2001年、ひまわり証券入社後、コールセンター、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年12月、マネースクエア入社。市場調査部に所属し、豪ドルやNZドルといったオセアニア通貨にフォーカスした「オセアニア・レポート」を執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。