[資源・新興国通貨4/22-26の展望] 豪ドル:RBA議事録は利下げの可能性に言及し、条件も明示

本稿では、個人投資家の関心が高い、資源・新興国通貨の来週を展望します。

豪ドル

RBA(豪中銀)議事録(4/2開催分)が4月16日に公表されました。議事録は、「インフレ率が抑制されていることを踏まえると、目先の利上げの確率は低い」とする一方、「インフレ率が低水準にとどまり、失業率が上昇を続けるならば、利下げが適切になる可能性がある」と指摘。利下げが経済に与える効果は過去に比べて小さいとしつつも、「利下げによって、為替レート(豪ドル)の下落や借入金利の低下による景気の下支えが期待できる」との見方を示しました。

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議事録を受けて市場ではRBAの利下げ観測が高まりました。利下げが適切になる条件を挙げたうえ、利下げによる景気の下支え効果にも言及したためです。

豪州の1-3月期CP I(消費者物価指数)が24日に発表されます。RBAは利下げの条件のひとつに“インフレ率が低水準にとどまること”を挙げました。そのため、CPI上昇率の鈍化は、RBAに利下げを促す要因となる可能性があります。総合CPI上昇率が市場予想の前年比+1.5%、基調インフレ率が2018年10-12月期の同+1.75%を下回る結果になれば、RBAの利下げ観測は一段と強まるとみられます。

豪州の主力輸出品である鉄鉱石の価格が堅調に推移していることで、豪ドルは足もとで比較的底堅い展開です。ただ、鉄鉱石価格の堅調が続くとしても、RBAの利下げ観測が一段と強まる場合、豪ドルに対して下落圧力が加わる可能性があります。

NZドル

NZの1-3月期のCPI(消費者物価指数)が4月17日に発表され、結果は前年比+1.5%でした。上昇率は2018年10-12月期の+1.9%から鈍化し、RBNZ(NZ中銀)のインフレ目標の中央値である+2%から遠ざかりました。

1-3月期のCPI上昇率は、RBNZの2月時点の見通しである+1.6%を下回りました。RBNZは利下げを示唆していますが、CPIの結果はその可能性が高まったことを示します。利下げ観測を背景に、NZドルには下落圧力が加わりやすいとみられ、NZドル/米ドルNZドル/円は下値を試す展開になる可能性があります。

カナダドル

BOC(カナダ中銀)の政策会合が4月24日にあります。その結果が今後のカナダドルの動向に影響を与える可能性があります。

政策金利は1.75%に据え置かれるとみられ、今回は声明における“フォワードガイダンス(金融政策の方向性をあらかじめ示したもの)”が最大の焦点になりそうです。

3月6日の前回会合時の声明では、「見通しは引き続き中立レンジを下回る政策金利を正当化する」将来の利上げ時期についての不確実性が高まった」との見方が示されました。それらがいずれも維持されれば、カナダドルの支援材料となるとみられます。一方、前者の文言を維持したとしても、利上げに言及した後者の文言が削除された場合、市場はBOCの利上げバイアスが後退したと判断し、カナダドルへの下落圧力が強まりそうです。

トルコリラ

トルコリラは4月18日、対米ドルで約6カ月ぶり、対円で約4週間ぶりの安値を記録しました。10日に発表された経済改革計画で具体策が示されなかったことや、米国とトルコの関係悪化への懸念がトルコリラの重石となるなか、トルコの外貨準備をめぐる懸念が高まったためです。

トルコリラのマイナス材料が目立つ状況です。トルコリラには、引き続き下落圧力が加わりやすいとみられ、トルコリラ/円は一段と下落する可能性があります。

TCMB(トルコ中銀)が4月25日に政策会合を開催します。TCMBは政策金利を24.00%に据え置くとともに、声明で「引き締め的な金融政策スタンスを維持し、必要なら利上げを行う」との方針を改めて表明すると考えられます。ただ、こうした方針が維持されることは、市場にすでに織り込まれているとみられ、トルコリラの反応は限定的になる可能性があります。

南アフリカランド

今週(4/15の週)の南アフリカランドは、対米ドルや対円で方向感の乏しい展開でした。中国の景気をめぐる懸念の後退がランドを下支えした一方、イースターの連休(南アフリカは19日と22日が祝日)を前に、利益確定売りがランドの上値を抑えました。

来週(4/22の週)は、南アフリカの3月PPI(生産者物価指数)が22日に発表されますが、材料としては力不足の感があります。独自材料が乏しいことから、南アフリカランドは他通貨の動向に左右されやすい地合いになりそうです。ただし、南アフリカでは5月8日に総選挙が実施されます。選挙が近づくにつれてポジション調整が入りやすくなるとみられ、ランドは上値が重い展開になる可能性もあります。

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八代 和也 マネースクエア 市場調査部 シニアアナリスト

八代和也

マネースクエア 市場調査部 シニアアナリスト 豪ドル、NZドル、トルコリラ、南アランド、カナダドル担当 2001年、ひまわり証券入社後、コールセンター、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年12月、マネースクエア入社。市場調査部に所属し、豪ドルやNZドルといったオセアニア通貨にフォーカスした「オセアニア・レポート」を執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。