[資源・新興国通貨5/27-31の展望]豪中銀総裁が6月の利下げを示唆

本稿では、個人投資家の関心が高い、資源・新興国通貨の来週を展望します。

豪ドル

ロウRBA(豪中銀)総裁は5月21日、「利下げは雇用の増加を支援し、インフレが目標に一致する時期を早める」と述べ、「6月4日の政策会合で利下げを検討する」と明言しました。

ロウ総裁が6月の利下げを示唆したことは、豪ドルにとってマイナス材料です。ただ、市場はそのことをかなり織り込んでおり、利下げ観測を背景に豪ドルが下落する状況ではなくなりつつあると考えられます。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)が織り込む、6月利下げの確率は85.3%です(5/23時点)。

豪ドルについては、米中貿易摩擦に関する報道(特にトランプ米大統領の発言)にも注意が必要です。それに関して新たな材料が出てこなければ、豪ドルは当面方向感の乏しい展開になりそうです。

NZドル

NZの乳業大手のフォンテラは5月23日、2018/19年度の生産者乳価の支払い見通しを下方修正。3月時点の1キログラムあたり6.30-6.60NZドルから6.30-6.40NZドルへと引き下げました。これはNZドルにとってマイナス材料と考えられます。生産者乳価の引き下げは酪農家にとってマイナスで、さらにはNZ経済全体の下押し要因になる可能性もあります。

RBNZ(NZ中銀)は5月8日に利下げを行いました。市場では今後追加利下げに踏み切るとの観測があります。利下げ観測もNZドルの重石となりそうです。

足もとのNZドルにはプラス材料が乏しい状況です。NZドルが上昇を続けるには、米ドル安材料や円安材料が提供される必要があるかもしれません。

カナダドル

BOC(カナダ中銀)の政策会合が5月29日に開催されます。その結果がカナダドルの動向に影響を与える可能性があります。

政策金利は現行の1.75%に据え置かれるとみられ、市場の関心は声明の内容へと向いています。前回4月24日会合時は、「緩和的な政策金利が引き続き正当化されると判断した。最新のデータに基づき、金融政策の適切な緩和の度合いを引き続き評価していく」でした。市場ではBOCの次の一手は“利下げ”との観測があるなか、声明がその観測を一段と強める内容へと変化した場合、カナダドルは軟調に推移する可能性があります。

トルコリラ

アカル・トルコ国防相は5月23日、S-400(ロシア製の地対空ミサイルシステム)の購入について「米国がトルコへの制裁を発動する可能性に備えている」と発言。米国の一部メディアは「トルコが6月第1週末までにS-400購入の計画を取り止めなければ、米国はトルコをF-35戦闘機のプログラムから排除し、トルコへの制裁を発動する可能性がある」と報じました(ただし、クラン・トルコ副外相は米国が期限を設定したとの報道を否定)。

 トルコのS-400の購入計画をめぐって米国とトルコの関係が悪化しており、トルコリラには下落圧力が加わりやすいとみられます。両国の関係をさらに悪化させるような報道が新たに出てきた場合、トルコリラへの下落圧力は一段と強まる可能性があります。

南アフリカランド

SARB(南アフリカ中銀)は5月23日、政策金利を6.75%に据え置くことを決定しました。声明では、2019年のGDP成長率見通しを下方修正し、「成長見通しに対するリスクは下向き」と指摘。中期的なインフレ見通しは若干緩和した」との見方を示しました。クガニャゴ総裁は会見で、会合では5人の政策メンバーのうち、3人が据え置き、2人が0.25%の利下げを主張し、据え置きは微妙な決定だったことを明らかにしました。

今回の会合を受けて市場では、SARBの早期利下げ観測が浮上する可能性があります。その場合、南アフリカランドにとってマイナス材料と考えられます。

ラマポーザ・南アフリカ大統領は27日に新内閣を発表する予定です。財務相や公共企業相など重要閣僚に誰が起用されるのかが焦点になるとみられ、ムボウェニ財務相やゴーダン公共企業相が留任した場合には南アフリカランドの上昇要因になる可能性があります。

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八代 和也|マネースクエア シニアアナリスト

八代 和也

2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年12月、マネースクエアに入社。 豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソについて分析し、マネースクエアのWEBサイトにてレポート(「ウィークリー・アウトルック」、「デイリー・フラッシュ」など)配信のほか、動画コンテンツ「M2TV」出演、セミナー講師を務めている。