[資源・新興国通貨6/17~21の展望] トルコ中銀が声明を修正。近い将来に利下げ!?

本稿では、個人投資家の関心が高い、資源・新興国通貨の来週を展望します。

トルコリラ

TCMB(トルコ中銀)は6月12日、政策金利を24.00%に据え置くことを決定しました。声明では、これまでの「インフレ見通しが大幅に改善するまで、引き締め的な金融政策スタンスを維持する」との文言を修正。「価格設定行動に対するリスクを抑制し、ディスインフレのプロセスを強固にするために、引き締め的な金融政策スタンスを維持する」とし、“インフレ見通しが大幅に改善するまで”を削除しました。

TCMBは引き締め的な金融政策スタンスを維持したものの、“インフレ見通しが大幅に改善するまで”との文言を削除することによって、いつでも政策変更に動く可能性があることを示したと考えられます。CPI上昇率が鈍化傾向にあることを踏まえると、トルコリラ安が進行しなければ、TCMBは近い将来に利下げに動くかもしれません。早期利下げの可能性はトルコリラの上値を抑える要因になりそうです。

トルコリラについては、トルコのS-400(ロシア製の地対空ミサイルシステム)導入をめぐる米国とトルコの対応にも注意が必要です。両国の関係が一段と悪化するようであれば、トルコリラには下落圧力が加わるとみられます。

豪ドル

豪州の5月雇用統計が本日(13日)発表され、結果は失業率が5.2%、雇用者数が前月比4.23万人増でした。

失業率は、市場予想(5.1%)に反して4月から横ばい。雇用者数は市場予想の+1.75万人増を上回りました。ただし、雇用の内訳をみると、パートタイム雇用者の増加が主因であり、賃金上昇圧力の高まりにはつながりにくいとみられます。雇用者数の結果は、ヘッドラインが示すほど強くなさそうです。

今回の雇用統計の結果は、RBA(豪中銀)の7月の追加利下げ観測を後押しする可能性があり、豪ドルの上値を抑える材料となり得ます。豪ドルが上昇を続けるには、米中通商協議への期待が高まるなどしてリスク回避の動きが後退する必要があるかもしれません。

NZドル

NZの1-3月期GDPが6月20日に発表されます。RBNZ(NZ中銀)は5月8日の金融政策報告で、1-3月期のGDP成長率が前期比+0.4%との見通しを示しました。

市場では、8月の利下げ観測があります。GDPがRBNZの見通しを下回る結果になれば、8月の利下げ観測が高まり、NZドルは下落しそうです。

NZドルには、投資家のリスク意識の変化を反映しやすいという特徴があります(NZドルにとって、リスク回避はマイナス材料、リスクオンはプラス材料)。主要国の株価が大きく変動した場合、NZドルが反応する可能性もあります。

カナダドル

カナダドルは原油価格(米WTI)の動向に注目です。OPEC(石油輸出国機構)は6月25日に定例総会を開催し、26日にはロシアなど非加盟主要産油国を含めた拡大会合を行う予定です(両会合は、7月初めに延期される可能性があります)。それらの会合に向けて、市場では産油国による協調減産延長の有無をめぐり観測が浮上しそうです。協調減産延長への期待が高まれば、原油価格が上昇する可能性があります。その場合、カナダドルの上昇要因となり得ます。原油については、中東情勢にも注意する必要があります。

来週(6/17の週)発表されるカナダの経済指標は、5月CPI(19日)4月小売売上高(21日)です。市場では、BOC(カナダ中銀)は政策金利を当面据え置くとの見方が有力ですが、CPIなどが市場予想を大きく下振れるようであれば、BOCの利下げ観測が浮上する可能性もあります。

南アフリカランド

南アフリカの反汚職当局は6月12日、ボササ(サービス企業)CEOが行ったラマポーザ大統領への企業献金をめぐる汚職捜査に関連して、ラマポーザ大統領に対して6月21日までに回答するように要請しました。

南アフリカ政治の先行き不透明感が浮上しており、南アフリカランドは上値が重い展開になりそうです。ラマポーザ大統領の回答次第では、政治の先行き不透明感は一段と高まる可能性があります。その場合、ランドには下落圧力が加わりそうです。

メキシコペソ

トランプ米大統領は6月7日、メキシコが米国への移民流入を防ぐ対策を強化することでメキシコと合意したとし、「10日に予定していたメキシコからの全輸入品を対象とする5%の関税発動を無期限に見送る」と表明しました。米国による対メキシコ関税の発動が回避されたことは、メキシコペソにとってはプラス材料です。

ただし、今後、米国への移民流入に歯止めがかかるかは不透明であり、トランプ大統領が今後、対メキシコ関税を再び言い出す可能性があります。トランプ大統領の発言には今後も注意が必要です。

来週(6/17の週)はメキシコの主要経済指標の発表がなく、メキシコペソは外部材料、とりわけ米FOMCの結果に影響を受けやすいとみられます。FOMCを受けて、米FRBの利下げ観測が一段と高まるようであれば、米ドルが全般的に下落する展開が想定され、その結果としてメキシコペソが対米ドルで上昇する可能性があります。ただし、対円(メキシコペソ/円)は、米ドル/円が下落した場合には上値が重い展開になりそうです。

マネースクエア提供動画視聴サイト

M2TV(マーケットView)『トルコ中銀の金融政策』
マネースクエア主催セミナーカレンダー(会場・WEB)
※マネースクエアが開催するセミナーには店頭外国為替証拠金取引および取引所株価指数証拠金取引の受託および勧誘を目的とする内容が含まれます。

八代 和也|マネースクエア シニアアナリスト

八代 和也

2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年12月、マネースクエアに入社。 豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソについて分析し、マネースクエアのWEBサイトにてレポート(「ウィークリー・アウトルック」、「デイリー・フラッシュ」など)配信のほか、動画コンテンツ「M2TV」出演、セミナー講師を務めている。