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雇用統計は市場予想には届かず

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外国為替マーケット情報|2014/09/08

先週末に発表された米国の雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想を大きく下回る結果となったほか、失業率は低下したものの、労働参加率も低下、注目の集まった平均時給は市場予想通りの結果となり、全体を通しては市場の期待には及ばない結果となり、発表後はドル売りでの反応となりました。しかし、その後は平均時給が弱くはなかったことや金曜日のアジア時間から、溜まっていたドル買いポジションに調整が進んでいたことなどもあり、ドルがそれ以上売られる展開にはならず、逆に買い戻される展開となりました。
また、スコットランド独立の是非を問う選挙を控える英国行われた世論調査では、はじめて独立賛成派が反対派の数を上回ったとの報道からポンド売りが強まっており、住民投票の結果が出るまでは神経質な展開が続きそうです。
ウクライナ情勢に関してはウクライナ政府と親ロシア勢力にて停戦合意の報道が流れましたが、市場の反応は雇用統計前に伝わったということもあり、限定的なものに留まっています。また、親ロシア派側では独立をあきらめないと宣言していることや、各地で依然として紛争が続いていることなどもあり停戦の合意内容に関しては懐疑的な見方も多く今後もマーケットのリスク要因として引き続き警戒が必要です。
他市場では米国株式市場が堅調な推移を続けたほか、米国債利回りも引き続き堅調地合を維持となりました。

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【主要通貨ペアの推移】

ドル円はアジア時間早朝に年初来高値の上のストップをヒットし105円台後半まで上値を伸ばしたものの、その後は伸び悩む推移が続いた後、期待外れの雇用統計を受けて更に下値を探る動きとなりましたが、104円台では底堅さをみせ、終わってみれば105円台はなんとか維持となりました。大きな流れでは引き続き上方向の動きが強いと思われるものの、短期的に角度のキツイ上昇を続けた後に上値の重さが目立ち始めている状態ということで、更なる調整に注意したいところです。

本日はまず105円台を維持できるかどうか、更には雇用統計後のサポートとなった104.70付近を守れるかどうかに注目したいところです。雇用統計後の安値を割り込むようであればストップ売りも絡め下落スピードが短期的に増す可能性も考えられます。

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上値の重いユーロドルは雇用統計後は上下動した後は1.2945-1.296付近の狭いレンジ内での推移に留まっています。本日はまずこのレンジのどちらに抜けてくるかをチェックしたいところです。ポジションは依然として売りポジションに傾いていることからこの1.296、または1.3などの節目を上抜けたところにはストップ買いが溜まっている可能性が高く、短期的に上昇が加速する場面もみられると予想されます。

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ユーロ円は雇用統計後に136.00を割り込む場面も見られましたが、その後は堅調地合を取り戻し、なんとか136円台を回復しています。依然としてドル中心の動きであることから不安定な動きが続くと思われますが、本日は終値ベースでしっかりと136円台、更には雇用統計後のサポートとなった135.80付近を守れるかどうかを確認したいところです。割り込んでくるようだと131円台も視野に入れた下落圧力が強まる可能性も考えられます。

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ポンドドルは週末の世論調査の結果を受けて今年2月、昨年12月のサポートを割り込みからのスタートとなっています。その後は戻しが入り1.622付近まで回復となっていますが、引き続き不安定な推移が続いています。
メインシナリオは独立否決、ポンド再浮上ですが、18日の投票までは不安定な推移が続くことが予想され、手を出しにくい状態が続くと予想されます。

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豪ドルは引き続き底堅さは残るものの上値の重さも目立ち始めました。米雇用統計後のドル売りの流れに乗り0.94付近まで上昇するも押し戻され結局0.937付近での推移に留まっています。しっかりと0.94を上抜けることができればストップ買いも絡め更なる上昇余地も生まれると思われますが、突破に再度失敗するような動きとなると再び下値を探る動きとなりレンジ推移が続くことが想定されます。

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【本日の注目材料】

本日は時刻は未定ですが、中国の貿易収支の発表が予定されています。地政学リスクなどから冷え込む対欧州での経済活動への影響に注目が集まり、輸出を圧迫しているようであれば市場全体に暗い陰を落とし、底堅さを見せる豪ドルなどにダメージを与えるかもしれません。
欧州時間以降はカナダの建設許可件数の発表が予定されているほかは目立った経済指標の発表は予定されていません。そのため、雇用統計の余波を株式市場、債券市場なども見ながら確認していく一日となりそうです。
また、停戦合意に至ったものの引き続き緊迫状態が続くウクライナ、中東、などの地政学リスクにも引き続き警戒が必要です。

【本日の予定】

中国市場休場
中国8月貿易収支
07:45 NZ4-6月期製造業売上高
08:50 日7月国際収支
08:50 日4-6月期GDP(2次速報値)
08:50 日4-6月期GDPデフレーター(2次速報値)
14:00 日8月景気ウォッチャー調査
21:30 加7月建設許可件数
翌4:00 米7月消費者信用残高

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト