7月15日の市場見通し

【著者】

昨日は米国時間に発表された米国小売売上が市場予想に反し、弱い結果となったことから、米国利上げ観測が後退となりドル売りが強まる動きとなりました。利上げ観測後退や米国金融機関の決算の好結果などを受け米国株式市場は堅調な推移となり、ドル円は下落後は底堅さを見せる動きとなっています。

昨日、目立ったのはポンドの強さです。カーニー総裁による利上げ開始時期が近いとのコメントが伝わるとポンドが急騰、その後の冴えない米国小売売上を受けてさらに上昇となりポンドドルは1.56台を回復する動きとなっています。イラン核交渉の進展への期待から原油価格の上値は重い状態であるため、相関性の強いカナダドル等も比較的軟調な推移となっています。

米国株式市場

主要通貨ペアの推移

ドル円は方向感を欠く推移となっています。123円台中盤では上値が重く前半まで落ちてくるものの、123を割り込んだところでは強い買いが入ってくるような状態で現在123円台前半での推移となっています。本日は昨日の小売売上発表直後に一瞬割り込んだ123.00を守れるかどうか、昨日のアジア時間のレジスタンスとなった123.73付近を突破できるかどうかで方向感を探っていきたいところです。

usd jpy

ユーロドルは上値の重い推移が続いています。欧州時間以降に上昇する場面もみられましたが、その後は失速となり、1.1を割り込む動きとなっています。本日は昨日のNY時間のサポートとなった1.0993、アジア時間のサポートとなった1.0965付近を守れるかどうかに注目したいところです。また、反発に転じた際は昨日の小売売上後の高値である1.1085付近を突破したところにはストップ買いが溜まっている可能性もあるため接近した際には注意が必要です。

eur usd

ユーロ円も方向感を欠く推移となり日足チャートでは十字線となるような状態となっています。欧州時間序盤には下値を探る動きとなった後に反発、上昇と上下に振れる動きとなり、現在135円台中盤での推移となっています。本日はまず、昨日のサポートとなった135.30付近を守れるかどうかで方向感を探っていきたいところです。

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ポンドドルは利上げ観測が強まったことから急騰し、底堅い推移が続いています。昨日のNY時間は1.564付近で伸び悩む動きとなっていたため、本日はこの水準を突破できるかにまずは注目したいところです。上抜けたところには逆張り組のストップ売りが溜まっていることが想定されるため、上昇が加速する可能性があるため、突破した際には注意が必要です。欧州時間の英国雇用統計で今月も賃金の上昇が確認されると昨日のカーニー総裁のコメントと併せて利上げ観測が本格的に強まる可能性があり、ポンド急騰、または弱い結果となると失望に変わり、急落となる可能性があるため、発表前後は注意が必要です。

gbp usd

豪ドルは比較的堅調な推移となりました。アジア時間から経済指標が良好な結果となったこともあり、底堅さを見せると冴えない米小売売上の結果を受け上値を追う動きとなりました。本日は中国のGDPの発表が予定されており、結果によりどちらかに振れる可能性があるため警戒が必要です。引き続き、今月に入ってからのサポートである0.737付近を守れるかどうかに注目が集まります。

aud usd

本日の注目材料

本日はイベントが盛りだくさんの1日となります。アジア時間には中国のGDPをはじめとする経済指標の発表、日銀の金融政策決定会合結果発表、黒田総裁の記者会見、欧州時間には英国雇用統計、ギリシャの改革案の法制化の期限、米国時間にはイエレン議長の議会証言、製造業関連の経済指標、またカナダ中銀の政策金利の発表が予定されています。

最近、成長鈍化が話題の中国の経済指標に強い結果が出てくるようであれば市場全体のリスク地合いが強まる可能性があるのに対し、弱い結果となってしまうとリスクオフ地合いが強まる可能性もあるため警戒が必要です。
日銀は金融政策の変更の可能性は低いと考えられますが、展望レポートの中間評価、黒田総裁の記者会見から、追加緩和の可能性を見出すことができれば円売りで反応となると考えられます。英国の雇用統計は昨日のカーニー総裁の議会証言でも賃金の上昇率への注目が高まっており、今月も賃金の上昇が確認されると利上げ観測が本格的に強まりポンドの強いサポート材料となります。

ギリシャ議会での改革案の法制化は与党からの反対が多少でても親EUの野党の賛成を得られる可能性が高いため、無難に議会を通過できるとの見方が多くなっています。議会通過の報道が出た直後はユーロ買いで反応すると考えられますが、材料出尽くしとなり、リスクオンのユーロ売りも出てくる可能性があるため神経質な動きとなることが予想されます。イエレン議長の議会証言は本日のメインイベントと考えられますが、年内利上げの可能性を示唆するものの、明確なコメントを得るには至らず、新しい材料は出てこないと予想されます。とはいえサプライズ発言が出る可能性もあり、また、目新しい材料とならなくても市場が過敏に反応する可能性があるため、証言中の神経質な動きには注意が必要です。カナダ中銀は利下げの可能性があるため、発表前後のカナダドルの動きには十分に注意したいところです。

本日の予定

09:15 ジョージ米カンザスシティ連銀総裁(投票権なし)講演
11:00 中国46月期GDP
11:00 中国6月鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資
15:00 日銀、経済・物価情勢の展望レポート(中間評価)公表
15:30 黒田日銀総裁記者会見
17:30 英6月雇用統計
20:00 米MBA住宅ローン申請指数
20:00 バンク・オブ・アメリカ、46月期決算発表
21:30 イエレンFRB議長、米下院金融委員会で議会証言
21:30 米7月NY連銀製造業景況指数
21:30 米6月生産者物価指数
21:30 加5月製造業出荷
22:15 米6月鉱工業生産
23:00 カナダ銀行(BOC)政策金利発表
23:30 米週間原油在庫
翌1:00 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁(投票権あり)講演
翌1:25 メスター米クリーブランド連銀総裁(投票権なし)講演
翌3:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト