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追加緩和観測は織り込み済み

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外国為替マーケット情報|2014/06/03

昨日は欧州時間に発表されたドイツの消費者物価指数が市場予想よりも低い水準であったことからECBの追加緩和実施は濃厚なものとなり、ユーロ売りを強めるものとなりましたが、事前に追加緩和は織り込まれていたこともあり大崩れには至りませんでした。ユーロ圏各国の製造業PMIはドイツ、イタリアが速報値から下方修正となったもののフランスは上方修正とまちまちな結果、英国製造業PMIは市場予想通りの前月より若干の低下となりました。
米国時間はISMの手違いによりISM製造業景況指数が誤った数値で発表してしまい二度修正する事態となり、相場に混乱を与えました。当初の発表数値は市場予想よりも低い53.2、1回目の修正が56、2回目の修正で55.4とされドルは上下に揺さぶられる展開となりました。終わってみれば前回よりも上昇となりリスクオン地合は維持となりました。
株式市場は堅調地合を維持したものの高値警戒感もくすぶる状態となっています。米国10年債利回りは続伸となり2.5%台を回復する推移となっています。

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ドル円は先週の高値である102.15近辺を上抜け、102.50手前まで上値を伸ばす推移となりました。日足チャートでは小さなヘッド&ショルダーを形成し、102円台後半くらいまでの上値期待は残る状態となっています。次に意識される上値水準はこの102円台後半で今年に入り幾度と現在の水準の少し上で上値を押さえられていることから、この水準を上抜け、103円台をしっかりと回復できるかどうかを見守りたいところです。103円台を回復することができれば長らく続いたレンジ突破の可能性も大きく高まります。

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ユーロドルはドイツのザクセン州、ドイツ全土の消費者物価指数が市場予想よりも低かったこともあり、下値を探る動きとなっていますが、先週の安値1.3586を割ることはできず、1.36を挟む攻防となっています。本日のユーロ圏の消費者物価指数にも注目は集まりますが、今後はECBの追加緩和は既に織り込まれ、追加緩和を行う、行わないの問題の議論ではなく、ドラギがどのカードを切るかの議論に移り、ECB理事会までは神経質な展開が続くことが予想されます。本日はまず先週の安値である1.3586を守ることができるかどうかに注目したいところです。割り込むと1.35割れを目指した下落圧力が強まること考えられますが、短期的な売りポジションが溜まっていることには注意が必要です。

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ユーロ円は続伸となりましたが、5月中盤からのレジスタンスである139.40手前で上値を押さえられています。日足チャートではこの139.40をネックラインとしたダブルボトムを形成していることから上抜けると140.00近辺を第一ターゲットとした上昇圧力が強まると思われます。サポートとなっているのは先週末から昨日のアジア時間までのサポートとなった138.6近辺、さらには先週からのサポートである138.00が意識されます。

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ポンドドルは方向感薄く、狭いレンジでの推移となっています。先週末から1.6725近辺がサポートとなり底堅さがあるものの上値は切り下げている状況となっています。続落となると日足チャート上でも傾きが変り大崩れとなる可能性も未だ残り、引き続きこの踏ん張りどころで踏ん張れるかを見守りたいところです。

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豪ドルは下落となりましたが、最終防衛ラインの0.92まではまだ余裕がある状況となっています。本日の中国、オーストラリアの経済指標では強弱入り乱れるたものの上昇後発表前の水準まで戻る動きとなり上値の重さを意識させられる動きとなっています。本日も引き続き0.92を守れるかに注目したいところです。本日は昼過ぎにRBAの政策金利の発表が予定されています。政策金利の変更は想定されないものの声明の内容次第では大きく動く可能性があるため注意が必要です。

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【本日の注目材料】

本日はアジア時間昼過ぎにRBAの政策金利の発表が予定されています。政策金利の変更は行われないと思われますが、声明にて豪ドル経済の見通し、豪ドル高に関してなどのコメントが出ると豪ドル中心にインパクトがあると思われます。
欧州時間はユーロ圏の消費者物価指数の発表が予定されてます。昨日のドイツの消費者物価指数から弱い数字が出ることが織り込まれていることから、強い結果となってしまうとサプライズとなると思われ、ショートに傾いたポジションが絞り出される可能性も残ります。
米国時間は製造業受注等が予定されていますが雇用統計を控えていることもあり市場へのインパクトは限定的と予想されます。また、株式市場では高値圏での推移が続いていることから雇用統計を前に警戒感も高まっていることには注意が必要です。

【本日の予定】

10:00 中国5月非製造業PMI
10:30 豪1-3月期経常収支
10:30 豪4月小売売上高
10:45 中国5月HSBC製造業PMI(改定値)
12:45 日10年国債入札(2兆4000億円)
13:30 豪準備銀行(RBA)政策金利発表
15:00 英5月ネーションワイド住宅価格
17:30 英5月建設業PMI
18:00 ユーロ圏5月消費者物価指数(HICP)(速報値)
18:00 ユーロ圏4月失業率
23:00 米4月製造業受注指数
23:00 米6月IBD/TIPP景気楽観度指数
翌2:50 ジョージ米カンザスシティ連銀総裁(投票権なし)講演

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様

佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト