10月は下落率の大きい月とされている

株価のアノマリーでは、10月は下落率の大きい月とされる。米株指数のラッセル2000株指数は、第3四半期に7.7%下落し、過去3年で最大幅の下げ率となった。もっとも、この5年半の間にS&P500株指数を70%もアウトパフォームしていたので、下げ率が大きいのも、ボラティリティが高いと言い換えることもできる。

とはいえ、2014年の10月には米市場で気になることが起きる。6年近く続いた量的緩和の終了だ。量的緩和の終了がカネ余りの終了を意味する訳ではないが、増え続けることがないことを意味する。余っているカネは、既に株高や債券高に反映されていて、どこかからの資金の流入がなければ、市場の中で資金が回ることになる。

つまり、これまで基本的には何でも上げてきた金融相場から、上がりそうなものを物色する相場に変わって行くのだ。景気の腰が強ければ、収益力の高い銘柄を物色する業績相場となるが、景気が腰砕けとなれば、債券市場に資金を奪われることになる。つまり、投資資金が増え続けてきた相場から、投資物件間で資金を回す相場に移っていく。米市場にとっては、緩和を継続している日本や欧州から、カネ余りの資金流入を期待したいところだ。

日本では、円安の弊害を唱える声が日毎に大きくなっているが、今の日本経済に円安以外の好材料があるとでも言うのだろか? それとも、円高も嫌、円安も嫌と、すべてを外部環境のせいにしたいのだろうか?

原発がとんでもないコスト高だと分かっても、原発推進。消費税引き上げの悪影響が顕著に見えていても、「予定通り」再引き上げ。円高は困る、円安も困ると、困ってばかりの官民の代表者たち。

これまでのような何でも上がる相場から、選別される相場に移行する時に、しがらみか何かは知らないが、合理的な判断ができないと、資金はより良い市場に奪われる。株式市場の今日の下げが、その兆候の始まりでないことを願いたい。

トレンドを狙う相場はリスクが大きい。やはり、相場の決め手は「転換点の見極め」かと思う。

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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。